―― まずはご経歴からお願いします.
ジュネジャ インドで生まれ,1974年インド・パン ジャブ大学理学部生物学科卒業後,インド・ハリヤナ農 業大学大学院理学研究科微生物学専攻に進学し,修士課 程を修了しました.その後は醗酵関連の会社に入社し,
4年くらい研究開発のマネージャーを担当していまし た.会社勤務と並行して学位を取るために大学にも通っ ていたのですが,教授の薦めで,大学で行なっているマ ネジメント研修を受けることになりました.その間に結 婚もし,会社の仕事もだんだん忙しくなり,せっかく学 位を取って研究をするのなら海外へ行こうと決め,海外 のフェローシップ制度を利用するために試験を受けたと ころ,日本,スイスなどで運よく合格しました.
インド人は大抵英語が公用語の国に留学するのです が,ちょうどその頃インドに帰ってきていた先輩から
「醗酵や微生物なら今は日本が先端ですよ.本当に醗酵
や微生物を勉強したかったら日本へ行きなさい」とアド バイスいただきました.当時,大阪大学には合葉修一先 生,大嶋泰治先生,岡田弘輔先生ら,世界でもトップク ラスの有名な先生たちがいらっしゃいました.インドで 合葉先生の本を読んでいた私は,大阪大学は生物工学や 醗酵のメッカみたいなところだと思っていたので,その 話を聞いてすぐ日本に行く決意をしました.
1984年9月に大阪大学工学部醗酵工学科に研究生とし て入り,当時,醗酵工学会の会長だった田口久治先生の 部屋に配属されました.はじめの半年間は大阪外国語大 学にも通い,日本語を勉強しながら研究を行なっていま した.その後,私が学位を取る前に田口先生が定年退職 されることになったため,名古屋大学農学部食品工業化 学科の清水祥一先生を紹介していただき,研究室で生物 反応工学を研究されていた山根恒夫先生に師事し酵素反 応,酵素工学の研究で学位を取りました.
トップランナーに聞く
太陽化学株式会社 代表取締役副社長
ジュネジャ・レカ・ラジュ 氏
聞き手
浅川 晋
名古屋大学大学院生命農学研究科
関 泰一郎
日本大学生物資源科学部
乳化剤,安定剤,乾燥食品などさまざまな食品素 材を全国の食品メーカーに提供する太陽化学株式 会社.人々の健康に貢献する機能性食品素材の創 造を目指すユニークな研究開発型企業です.タマ ゴやお茶の基礎研究と製品開発に携わり,現在は 代表取締役副社長兼ニュートリション事業部事業 本部長として国内外でご活躍のジュネジャ・レカ・
ラジュ氏が,研究に対する姿勢(自分の研究を信じ る,役に立つ)や仕事への姿勢(人の和,必死さ)
を熱く語ってくださいました.
―― そこから,太陽化学に入社され日本に残られるこ とになったのは,何かきっかけがあるのですか.
ジュネジャ 実は,1989年,アメリカでの就職が決 まっていてすでに行く準備をしていました.しかし,そ の年に新潟で開催された日本農芸化学会でたまたま太陽 化学の役員の方にお会いしました.それが縁で太陽化学 の会社を見学に行き,当時の社長,副社長とお話する機 会があり,世の中にないものを提供していくという経営 方針に惹かれ,太陽化学に入社することに決めたので す.
今は代表取締役・副社長という立場ですが,入社当時 は役職は何もありませんでした.2年目に研究グループ 長になり,その後当時のバイオサイエンス研究室室長に な り ま し た.1996年 に 総 合 研 究 所 取 締 役 研 究 部 長,
1997年に取締役国際部長,2000年には常務取締役にな りました.常務取締役になったときには,インド人の会 社役員は純粋な日本の会社ではめずらしく,いろんな新 聞や雑誌などのマスメディアで取り上げられました.
この間,入社した折に社長に言われた「他社の真似は せずに,世の中にないものをつくってほしい」という言 葉どおりに基礎研究をさせていただきましたが,研究と はこんなに楽しいものかということを肌で感じることが できました.他の研究員も皆生き生きしていましたね.
自主的に夜中まで一生懸命に取り組んでいました.研 究ってそういうものなのだと思います.本当の研究とい うものは,他人から言われなくても自分の内から出てく るものなのです.外から言われてやるようなことは,面 白くないし新しいものも生まれてきません.
しかし,基礎研究だけをしていると,売り上げという プレッシャーがない.でもやはり企業ですから,製品を 開発し,市場に出して,販売していかなければなりませ ん.私は幾つかの学会の評議員や,日本農芸化学会では 中部支部の副支部長を歴任し,今年からは国際学会の会 長もしています.しかし,私が学会の役員になったり,
座長を務めたりしたとしても,企業としてはそれだけで は駄目なのです.最後には開発した商品が売れるか売れ ないかということで会社の評価が決まるのです.現在 は,副社長という仕事以外に,担当事業部の研究開発,
生産,国内外の営業を統括する仕事も兼務しています.
また,会社の方針として国内だけでなく海外市場への進 出も目指していますので,専門知識を生かし,営業活動 のために世界中を駆け回っています.
◆ 太陽化学での研究 ◆
―― 太陽化学で基礎研究をされていたということです
が,最初はどういうことをされたのですか.
ジュネジャ 最初はニワトリのタマゴの研究をしていま した.タマゴは栄養を与えなくても,21日間温めるだ けで生命になります.タマゴの成分は機能性食品にもな りうるわけですが,逆に見ればタマゴを解析するとどう いうふうに生命に変わっているかが見えてくるのです.
そうした研究の中で最初に着目した物質はタマゴに含 まれているシアル酸でした.シアル酸は母乳の初乳にも 含まれる物質で主に免疫効果を高める働きがあり,その 誘導体はインフルエンザの薬にも使われています.この シアル酸をタマゴの黄身に付く白い糸,カラザから抽出 することに成功し,1990年に横浜で行なわれた糖質シ ンポジウムの国際学会で発表したところ大きな反響があ りました.というのも,それまでシアル酸はコストの高 いウミツバメの巣などを原料に製造されていましたが,
私たちはコストの安いニワトリのタマゴから製造できる と発表したからです.
このときは,この成果で何か賞を受賞するのではない かと関係者は皆期待に胸を膨らませていました.実際 に,韓国で乳児用粉乳の添加物として採用されました.
しかし,この仕事が20年後の今も続いているかという と,残念ながら続いていません.これがあまり長続きし なかった理由は,製薬会社などの同業他社が醗酵法や合 成法を開発し,さらに低コストで製造できるようになっ たからです.開発の着眼点が優れているということが,
最終的な売り上げ,利益につながるかというとそうでは ないのです.最初はすごく大きくなるように見えていて も,20年,30年後につながる仕事かというのはまた別 の話なのです.
―― 太陽化学では鶏卵抗体などタマゴの研究をされて いたので,太陽化学といえばタマゴというイメージを もっていたのですが,最近話題のテアニンをはじめとし た,お茶に注目された理由は何かあったのですか.
ジュネジャ そうですね.当社はタマゴの研究で1994 年に「鶏卵抗体の大量生産および産業利用技術の開発」
で農芸化学会技術賞をいただきましたので,タマゴのイ メージが強い方も多いと思いますが,お茶に着目したの は,一つは会社の所在地である三重県の名産品であると いうことですね.
―― 確かに,三重県はお茶の産地ですね.
ジュネジャ 地域性が大いに関係しています.他には,
食後にお茶を飲んでいる小学生は虫歯が少ないという データがあったこともきっかけの一つです.当時,世界 中から集めた植物などを構造機能解析したところ,最も 興味深い結果が出たのがお茶でした.そこで,微生物を
使ったスクリーニング試験をしたところ,お茶から病原 菌だけに特異的に低濃度で抗菌作用を発現する成分を発 見したのです.この成分に虫歯予防効果があるというこ とを発表しましたら大変話題になり,「サンフェノン」
という製品の開発につながったのです.そして,「虫歯 予防成分」として実際にチョコレートやキャンディーに 採用されました.
それを皮切りにお茶の研究を進めていくと,生体内抗 酸化や腸内フローラバランスの改善や抗癌など,次から 次へと製品開発につながる結果が得られました.中には 研究だけで終わってしまい製品化にはつながらなかった ものもありますが,初めに発見された「虫歯予防成分」
としての用途では現在でも採用いただいていますし,こ れからの採用に向けて取り組んでいる内容もあります.
2009年に同じ農芸化学会技術賞をいただいた「l-テア ニンの工業的生産技術の確立と機能性食品としての研究 開発」は,日本だけでなく世界中に展開しています.
テアニン開発のきっかけは「お茶を飲むとなぜほっと するのだろう」という社内での素朴な会話から始まりま した.テアニンは,興奮作用のあるカフェインとの拮抗 作用があることが知られていたので,テアニンを飲むと ホッとしたりリラックスしたりするのではないかと推察 しました.そこで科学的に調べたところ,テアニンを摂 取すると脳波の
α
波が多く出ているということがわか り,テアニンにはリラックス効果があるということを発 見したのです.さらに調べてみると,グレードの低い番 茶には少なく,高級な玉露には数倍多くテアニンが含ま れることがわかりました.しかし,玉露からテアニンを 抽出したのではコストがかかりすぎ,とても製品にはな りません.そこで,なんとか低コストで工業的に生産す る方法はないかと考えたところ,グルタミンとエチルア ミンから微生物の醗酵の力でテアニンを生産する方法に 至ったのです.この発想に至ったのは,シアル酸のときの苦い経験が あったからだと思います.タマゴのときは卵殻も卵殻膜 も卵白も卵黄もすべて解析しました.また部位だけでな く,糖鎖と脂質とタンパク質,さらにそのフラクショ ン,という風に総合的に構造を解析したからこそ,最後 は製品化につながったのです.我々は,お茶も同様にす べてのフラクションを解析しています.ポリフェノー ル,アミノ酸,クロロフィル,多糖類,食物繊維,すべ て調べました.しかし,それらの研究がすべてものに なって売れるというわけではない.それでも総合的にや る必要があるのです.総合的にやっているからこそ,最 終的に製品になったものは残っていくのです.前の苦労
は決して無駄ではなく,次の成功につながるのです.
―― 現在太陽化学で注目されている技術といえば他に どんなものがありますか.
ジュネジャ 今の私たちの目玉技術は,脂溶性ビタミン やDHAをはじめとした脂質成分やミネラルなどの固体 成分を安定に分散させる当社独自の界面制御技術です.
単に分散させるだけでなく,栄養素材を食品の加工段階 から体内吸収まで安定して供給させることができるこの 技術を,私たちはニュートリション・デリバリ・システ ム (NDS) と名付けました.この技術により,栄養素材 の耐熱性・酸化安定性を高め食品加工しやすくする,栄 養素材特有の味やにおいを抑え食べやすくする,栄養素 材を安全にしっかり身体に届けるなどの特長が付与でき ます.今私たちが世界中に販売している代表的なNDS 製品は,鉄補給製剤「サンアクティブFe」です.従来,
鉄分を食品に添加すると,変色したり味が悪くなったり してしまいましたが,この「サンアクティブFe」を使 えば,色も味も変えずに鉄分を強化する商品をつくるこ とができるようになりました.現在でも大手乳業メー カーを中心に採用いただいています.
また当社は,フィリピンで国際生命科学研究機構と共 同で鉄強化米プロジェクトを展開しています.発展途上 の国では栄養不足に陥っている子供が多く,特に成長,
学力低下・異常行動の防止に必要な鉄分が不足している 割合が非常に高い状況です.そこで,主食である米に鉄 を添加して子供たちの鉄分不足を解消するプロジェクト が立ち上がり,私どもの「サンアクティブFe」を使う ことで,米に添加しても色も味も変わらず,おいしく食 べられる鉄強化米を提供することができたのです.
◆ 信じることと役立つこと ◆
―― 仕事をしていくうえで,若い人たちにモチベー ションを上げてもらうことが大切だと思います.どう やって人を引っ張ってきたのかということはすごく興味 があるのですが,何かそこら辺でお話しいただけません か.
ジュネジャ やはり,自分がやっていることを信じると いうことです.自分自身の研究を信じていなければ面白 くないですよね.先程も言いましたが,言われてやるこ とは面白くないのです.自らの内からわきあがってくる ようなことが面白いのです.自分の論文などができあが ることも喜びですが,さらに喜びが大きいことは,恐ら く自分のつくったものが世の中の役に立っているという ことではないでしょうか.私が最初につくったシアリル オリゴ糖が商品になり韓国のデパートの店頭に並び,お
客さんが手に取っているのを見たときはうれしくてたま りませんでした.部下には,自分の内から出てくる仕事 をやらせてあげられるような環境づくりが必要だと思い ます.私たちは研究開発企業ですから,一番経営者が喜 ぶのは,売り上げも大切ですが,新しい商品を開発した ときなのです.新しいものは次の10年,20年につなが るからです.
―― 先程からお話をうかがっていると,タマゴやお茶 の成分を隅から隅まで明らかにしたり,よく一企業でそ こまでできるなというか,すばらしいと感じます.
ジュネジャ それが当社のDNAかもしれません.しか し,経営の立場から見ればつらい部分でもあります.今 は逆に研究員に早く商品をつくってほしいと思うことも あります.経営者という立場になり,研究の深さと商品 開発のスピードとのバランスが非常に重要だと気づきま した.私も今の研究員たちと同じ苦労をしてきています から,どちらの気持ちもわかるのです.
会社が成長していくには,結局市場にどれだけ売れる かということが重視されます.そのためには,やはり新 しいものをつくっていかなければなりません.世の中に ない新しいものをしっかりとつくっていけば,世界にも 通用する商品を売っていけるということだと思います.
基本はサイエンスとテクノロジーですよ.会社のロゴで ある「S」と「T」は,一つにはそれを表わしています.
もう一つは「SmileとTogether」です.職場の皆がとも に笑って仕事ができることでいいものが生まれてくる,
これが私たちの基本方針です.
◆ ネットワークと陰で支えてくれる人たち ◆
―― 太陽化学は本当にグローバルですよね.
ジュネジャ 純粋な日本企業の中では,当社は外国人研 究員が多いほうなのではないでしょうか.当社は外国人 用のポスドク制度を設けているため,日本で学位を取 り,日本の企業で働きたいと考えている外国人からの応 募もたくさんあります.太陽化学でさまざまな仕事をし て自国に帰っていき,各国で教授や研究所長になったり しています.何年も前に当社で働いていた人が,私が自 分の国に来るとわかると,わざわざ出迎えてくれ,ここ で商売するなら手伝いますよと言ってくれる.そういう ネットワークを私はすごく大事にしています.やはり,
一番大切なのは人だと思うのです.私の亡くなった父は 経営者だったのですが,「人を大事にしない会社は駄目 になる」といつも言っていました.会社というのはどれ くらいいい人材をもっているかで,すべて決まるのでは ないでしょうか.すべてのことを一人ではできません.
私がこれまでにやってきたことは,一緒にがんばってき たメンバーがいてくれたからこそ得ることのできた成果 に過ぎない.大学の先生もきっとそうだと思います.支 えてくれている学生や優秀なスタッフがいて,はじめて いい仕事ができる.会社も同じです.やはり大切なのは 人の和ですね.
―― 本当にそういう意味では大学の研究でも企業の研 究でも一緒ですよね.
ジュネジャ 私はこの会社に入社して幸せだと思ってい ます.私たちは新しいものをつくるために大学の先生と も一緒に研究しています.そのおかげでネットワークを つくれた.この会社にはその度量があった.それは個人 の財産にもなりますよね.世界中の大きな会社の研究所 長や経営者と知り合えて,いいネットワークがつくれ る.ただ,それは私だけの仕事ではなくチームでやって いたからこそです.結局は人なのだと思います.
◆ 仕事が終わってからが本当の仕事 ◆
―― 若い研究者や学生にメッセージがありましたらぜ ひお願いします.
ジュネジャ 太陽化学にも優秀な学生が入社してきます が,会社に入るとこれで安泰とばかり,上司が言ったこ とだけをやっていれば給料をもらえる,という考えに なってしまう研究員も少なからずいるようです.しか し,それでは自分自身が面白くないと思うのです.せっ かく研究員になれたのですから.
今はIT化も進んでいて,若い人たちはそれを難なく 使いこなすことができます.私たちの時代は,発表資料 をつくるのにも何人もの人が協力して徹夜していまし た.今はパソコンを使えば驚くほどの短時間でつくるこ とができる.論文をタイプするときでも,一度タイプし たものを直そうとするともう一回全部やり直さなければ いけませんでしたが,今はクリックひとつで元に戻すこ とができます.今から考えると大変不便な時代でした.
今は機械もITも進歩しています.しかし,クリエイ ティビティが高まったかというと,それはちょっと疑問 ですね.
今,足りないことは 必死さ だと思うのです.基礎 学力を身につけ,論文を読んで周りで何が起こっている かということを知ることも大切です.新しい情報を集 め,自分の知識を増やしていかないとクリエイティビ ティは生まれてこないのです.私自身,ものすごく重た い鞄をいつももっています.皆さんによく「鞄に何を入 れているのですか」と聞かれ,「金と銀が入っています」
と冗談で答えるのですが,実はたくさんの論文が入って
いて,移動時間などを利用して読んでいます.大切なの は,自分の時間で学ぶということですね.会社での仕事 が終わった後でも,一生懸命本を読んだり,自分の研究 を調べたりするということが本当に重要です.
―― 今はサラリーマンみたいな学生もいますよ.賢い 学生は増えてはいますが.
ジュネジャ 本当に最近の学生は賢いと思います.面接 をすればパーフェクトな答が返ってきます.以前は人柄 が重視されていましたが,最近は本当に優秀な人が入社 するようになってきました.
もう一つ若い人たちにぜひ伝えたいことは,言葉につ いてです.外国語ができれば,海外での学会や論文の発 表も堂々とできます.日本語も国語ですからもちろん重 要ですが,外国語もできれば海外にも活躍の場が広がる ということです.私自身もまだまだ日本語は中途半端で すからあまり言える立場ではないのですが,若い人たち にももう少し語学力を磨いてほしいと思います.しか し,今は海外に行きたくないという若い人がけっこう増 えてきているようですね.
―― そうですね.なぜでしょうね.
ジュネジャ 日本はとても恵まれていますので,苦労し たくないと思う人が増えているのかもしれません.論文 を読むのも労力がいりますね.夜家に帰ったら,仕事に 関係することはしたくないと思うかもしれませんが,そ
れを仕事と思ったら駄目ですね.自分の財産になると 思ってやらないと,いい研究や商品は生まれてこない.
語学も一緒です.仕事のために学ぼうと思ったら絶対に 駄目,なかなか上達しません.自分でお金を払ってで も,必死で勉強するから上手になる.あるいは,私みた いにしゃべらないと生活できないとなると上達します
(笑)
.業務によっては社員を海外へ行かせることもあり
ますが,彼らも帰ってくるとやはり皆,現地の言葉を習 得して帰ってくるのです.◆ 農芸化学会に望むこと ◆
―― 最後に農芸化学会に望まれることをお願いしま す.
ジュネジャ 私は学生時代から農芸化学会にはお世話に なっています.副支部長まで務めさせていただいたり,
自分自身も発表をしたりと,さまざまなことにチャレン ジさせていただきましたから大好きな学会です.海外に はなかなかない非常にユニークな学会です. 農 とつ きますが,ただの農学ではない.機能性の話など農学系 から生まれた付加価値の仕事の発表をしています.高校 生の企画などは大変面白く興味深いプログラムだと思い ます.だからこそ私の希望としては,国際的な認知度を 上げるような活動をもっと行なってほしいですね.
―― 色々と有意義なお話をありがとうございました.
山 岸 紀 子(Noriko Yamagishi) <略 歴>1998年岩手大学農学部応用生物学科 卒業/ 2000年同大学大学院農学研究科修 士課程課程修了後,東北農業研究センター 非常勤研究員を経て,2007年岩手大学農 学部学術研究員,現在にいたる.2007年 農博(岩手大学)<研究テーマと抱負>リ ンゴ小球形潜在ウイルスベクターを用いた 果樹の開花促進およびサイレンシング誘導
<趣味>読書
湯川 英明(Hideaki Yukawa) <略歴>
1971年東京大学農学部農芸化学科卒業/
同年三菱油化(株)/ 1991年同社筑波研究 所生物化学研究室室長/ 1993年(財)地球
環境産業技術研究機構バイオ研究グループ 理事・グループリーダー/ 1999年奈良先 端科学技術大学院大学客員教授(兼任), 現在にいたる.1983年農博(東京大学)
<研究テーマと抱負>バイオリファイナ リー研究開発<趣味>近代史に関する読書 横山 拓史(Takushi Yokoyama) <略 歴>1980年九州大学大学院理学研究科化 学専攻博士後期課程修了/同年同大学理学 部助手/ 1989年同大学教養部助教授/
1994年同大学理学部助教授/ 2001年同大 学大学院理学研究院教授,現在にいたる.
この間,2002年米国ペンシルベニア州立 大学地球化学科訪問教授<研究テーマと抱
負>自然界におけるシリカの沈殿の化学
<趣味>山登り
横 山 卓 也(Takuya Yokoyama) <略 歴>2007年北海道大学理学部生物化学科 卒業/ 2009年同大学大学院理学院修士
(博士前期)課程修了/2011年東京慈恵会 医科大学大学院医学研究科博士課程入学
(熱帯医学講座),現在,在学中<研究テー マと抱負>異種の生物間の相互作用につい て興味.病原性微生物とその宿主やベク ターとの共存関係や寄生虫のしたたかな宿 主の免疫回避機構を成立させているメカニ ズムを解明したい<趣味>読書(歴史小説 から漫画まで),Wikipediaの徘徊