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算数指導力向上への取組と評価
帰国隊員報告会
ドミニカ共和国派遣 小学校教諭 新潟県
清野 真輝
3.活動内容 と 成果
1.活動先小学校の紹介 と 要請内容
< 発表の流れ >
2.現場の課題 と 活動方針
A.「算数指導のシステム化」について B.「校内研修の構築」について
4.活動を振り返ってC.その他の取り組み 5.帰国後の現在・・・
1.活動先小学校の紹介 と 要請内容
ドミニカ共和国
1.活動先小学校の紹介 と 要請内容
◇ 担当校 : PASTOR ABAJO 小学校 サ
ンティアゴ市郊外にある中規模校1.活動先小学校の紹介 と 要請内容
1~4年生 500名程度
◇ 隊員派遣 :
2代目派遣(2006年8月~)※ 2006年8~11月の3ヶ月間、
前任者と任期が重なる。
教員の算数指導力の向上 1.活動先小学校の紹介 と 要請内容
教員の算数指導力の向上
校内研修の構築
2
<校内組織図>
校 長 副校長
生徒指導担当 ボランティア教務主任
算数指導のみ!
第1学年 第2学年 第3学年 第4学年
1-A 1-B 1-C
2-A 2-B 2-C
3-A 3-B 3-C 3-D
4-A 4-B 4-C
全13学級
2.現場の課題と活動方針
◇ 教員の算数指導力の向上
◇ 校内研修の構築
◇ 校内における算数指導体制の確立
A.算数指導の システム化
B 校内研修の構築
算数を指導したがらない
◇ 校内研修の構築B.校内研修の構築
活動の基本方針
1.すべての子どもたちに、「同質かつ最低限の教育」を 与えること。 <公教育の理念>
2.先生方の負担を軽減し、「算数指導への意欲」を 高めること。 <意欲の向上→指導力の向上>
同一学年でも統一なし
教員の「知識」や「経験」の差によらず、
全 の教員が「 定の質の学習内容
3. 活動内容と成果 A.算数指導のシステム化
全ての教員が「一定の質の学習内容」
を教えることができる指導システム
・ 毎時間の学習プリント
・ 教師用指導参考ガイド
・ 学年会(講習会)の実施
・ 学習進度の管理
・ 教材・教具の作成と管理
・ 状況把握のモニタリング
最終評価 :
A. 「算数指導のシステム化」 について
・ 「指導システム」は、年間を通すことで定着した。
試験において正答率に向上がみられた
3. 活動内容と成果
・ 試験において正答率に向上がみられた。
第2学年
第2学年 繰り上がりのある「たし算」
64.8 57.7 49.5
75.5 77.9
0 20 40 60 80 100
04-05 年度末 05-06 年度末06-07 12月06-07 年度末 07-08 12月
8+4 6+9
第2学年 繰り下がりのある「ひき算」
13.6
26.9 29.0
57.8 63.5
0 20 40 60 80 100
04-05 年度末 05-06 年度末06-07 12月06-07 年度末 07-08 12月
第2学年
12-3 15-8
第3学年 3桁の「ひき算」(繰り下がりあり)
7.2 18.4 25.4
0 20 40 60 80 100
04-05 年度末 05-06 年度末 06-07 12月 06-07 年度末 07-08 12月
6 4 3 1 8 7 1 7 7
-
14 15 2 5
第4学年 「かけ算」(×1桁・繰り上がりあり)
38.9 33.3 30.4 37.8
0 20 40 60 80 100
04-05 年度末 05-06 年度末 06-07 12月 06-07 年度末 07-08 12月
3 5 2
1 0 4
× 6
3 2
1
3
最終評価 :
A. 「算数指導のシステム化」 について
・ 「指導システム」は、年間を通すことで定着した。
試験において正答率に向上がみられた
3. 活動内容と成果
・ 試験において正答率に向上がみられた。
・ 一年間にこれまでにない新しい単元を指導することが できた。
第3学年 「わり算」(暗算・あまりなし)
0.0 0.0
47.8
0 20 40 60 80 100
04-05 年度末 05-06 年度末 06-07 12月 06-07 年度末 07-08 12月
24÷6 45÷9
第4学年
昨年度よりも、6つの新しい学習が行える!
×2桁のかけ算
わり算の筆算(÷1桁)
1/10の位までの小数
分数の導入わり算の筆算(÷2桁)
ローマ数字
最終評価 :
A. 「算数指導のシステム化」 について
・ 「指導システム」は、年間を通すことで定着した。
試験において正答率に向上がみられた
3.活動の取組と最終評価
・ 試験において正答率に向上がみられた。
・ 「指導システム」の運営を現場教員に移行できた。
→
“各学年のリーダー”と“調整役”の働きのおかげ・ 一年間にこれまでにない新しい単元を指導することが できた。
B.「校内研修の構築」 について
◇ 年間を通した 「研究テーマ」の設定
→
「子どもたちのプリントの3. 活動内容と成果
◇ 「校内公開授業」・・・
◇ 「研究通信」の発刊
→
「子どもたちのプリントの効果的な丸付けの方法を探ろう!」
最終評価 :
B. 「校内研修の構築」 について
・ 5名の教員の指導に変化が見られた。
3. 活動内容と成果
教員の指導の変化07年6月 A 教員(3年)
5
22 1
3
1 1
4 3
11 4
2
0 2 4 6 8
5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0
07年12月 A 教員(4年)
1 1
2 3
111 3
2 5
2 3
2 5
3
1 3
0 2 4 6 8
5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0
0-5 6-10 11-15 16-20 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 66-70 71-75 76-80 81-85 86-90 91-95 96-100 0-5 6-10 11-15 16-20 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 66-70 71-75 76-80 81-85 86-90 91-95 96-100
07年6月 B 教員(4年)
1 111 5
3 22
8
3 2
1 2
0 2 4 6 8 10
0-5 6-10 11-15 16-20 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 66-70 71-75 76-80 81-85 86-90 91-95 96-100
07年12月 B 教員(4年)
11 4
1 4
5 3
5
2 3
2 33
1 0
2 4 6 8 10
0-5 6-10 11-15 16-20 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 66-70 71-75 76-80 81-85 86-90 91-95 96-100
4
最終評価 :
B. 「校内研修の構築」 について
・ 5名の教員の指導に変化が見られた。
3.活動の取組と最終評価
校 も 教 が
・ 校内での公開授業に関心をもつ教員が出てきた。
・ 校内公開授業は,実施できなかった。
→
持続可能な定着までは,至らなかった。C.その他の取り組み
◇ 「算数を生活の中に・・・」プロジェクト
◇ 保護者への教育情報発信
3. 活動内容と成果
◇ 保護者への教育情報発信
◇ 日本の子どもたちへの情報発信
2. 現場の課題は何か、明確に見極める!
1. 公教育という視点をもち、基本的な指導体制を確立する!
・ 同一学年内での進度の管理、学年会での学習内容・指導法の確認など
4.活動を振り返って
3. 「教授法の神話」からの脱却を!
・ 「正しく教えても、子どもたちが覚えてくれない・・・。」
・ 教師の仕事とは,「教えること」ではなく、「子どもに学習を定着させること」
4. まずは 「基本的な授業スタイル」 を身につける!
・ 指導力の向上には段階がある。 いきなり“日本のまね”は無理。
「教授する」→「習熟させる(練習問題)」→「評価する(丸付け)」
5
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子どもたちに“十分な練習問題”を与える!・ 「学校だけ」が教育の場 学校で習熟させなければならない
「教授する」→「習熟させる(練習問題)」→「評価する(丸付け)」
4.活動を振り返って
・ 「学校だけ」が教育の場。学校で習熟させなければならない。
6. 時間内に“丸付け”をする技術を身につけさせる!
・ 子どもに “よくできているよ” と自信をもたせなければならない。
7. 校内研究授業は、「テーマ」&「質より量」で!
・ 先生方の関心は高い。積極的に挑戦すべき。
5.帰国後の現在
ご清聴,ありがとうございました。