第1学年○組 道徳指導案
指導者 T1 M・M T2 M・H 1 主題名 相手の気持ちを思いやる心 内容項目2ー(2)思いやり・親切
2 資料名 「ふわふわ言葉で,元気パワーがいっぱい!」
( 心のノート」とエンカウンターで進める道徳「 諸富祥彦・尾高正浩・土田雄一 編著 明治図書)
3 主題設定の理由
(1)ねらいとする価値について
( ) ,「 ,
低学年における内容項目2ー 2 は 幼い人や高齢者など身近にいる人に温かい心で接し 親切にする 」である。他の人に接するときの基本的姿勢に関するものであり,相手に対する思。 いやりや親切な心をもち実践のできる児童を育てようとする内容項目である。
低学年の児童にとって,相手の気持ちを考えたり,心の変化に気づいたりすることは大変難し いことである。友達から励ましてもらったり,ほめてもらったりすると喜ぶが,まだまだ自己中 心的な面のある子どもたちは,相手の気持ちを考えずに思いやりのない言葉を平気で口にしてし まいけんかになったり,友達を傷つけてしまったりする場面が多く見られる。
また,相手にされたことは腹立たしく思うが,自分のしたことに対する相手の思いには気づか ないことが多い。ふだん何気なく使っている言葉を振り返り,見つめ直すことで,言葉が引き起 こす感情にに気づかせ,日常生活の中で温かい思いやりのある言葉を進んで使おうとする気持ち がもてるようにしていきたい。
(2)児童の実態(男子10名,女子13名,計23名)
本主題を学習するにあたり,次のような実態調査を行った 〈調査人数。 21名〉
〈調査日 平成21年10月30日〉
質 問 事 項 回 答
1 友 達 と け ん か を し た こ と が ありますか。
2 ど う し て け ん か に な っ て し まったのですか。
3 友 達 か ら 「 嫌 な 言 葉 」 を 言 われたことがありますか。
4 言 わ れ た こ と の あ る 「 嫌 な
」 。
言葉 はどんな言葉でしたか
(複数回答)
5 友 達 か ら 言 わ れ て 「 う れ し く な っ た 言 葉 」 は ど ん な 言 葉 でしたか。 (複数回答)
〈考察〉
本学級の児童は
実態調査では,けんかの原因として「言葉」を意識している子は1名だったが,いやな言葉を 言われたことのある児童は非常に多い。自分が言われるといやな思いをしたことはよく覚えてい るが,自分が日常生活で何気なく口にしている言葉が,友達の気持ちを逆なでしたり,傷つけた りしていることに気づいていない場合も多いと思われる。反対にうれしい言葉については予想し たほど挙がらなかった。ないと答えた児童も6名いる。いやな気持ちだけでなく,うれしい気持 ちにもなれる“言葉が引き起こす感情”というものをまだ意識していない児童が多いのではない かと思われる。今まで悪気はなくつい言ってしまっていた言葉が,相手にとっては心の傷になっ ていたことを感じ取らせるとともに,言葉が相手に与えるプラスのパワーにも目を向けさせるこ とで,温かい言葉を進んで使う,思いやりのある学級にしていきたいと考える。
5 本時の学習
(1)ねらい
言葉が引き起こす様々な感情に気づき,友達に対して進んで温かい言葉をかけようとする気持 ちを育てる。
(2)本時の展開
時配 学 習 活 動 教 師 の か か わ り 資料
(○支援・指導☆評価◆評価方法・規準)
5 1 しょんぼりした表情をしている女 ○女の子の表情から想像することにより 不 愉 快 な の子の絵を見て話し合う。 本時の内容に関心をもたせる (T1)。 表 情 の 女
○なぜこんな表情をしているのか。 ○女の子の気持ちを代弁する演技をするこ の子の絵
・友達とけんかした と で ( T 2 , 自 分 の 日 常 を 想 起 し や す)
・しかられた いようにする。
・いやなことがあった
10 2 言われると悲しくなったり,イラ ○トゲトゲの出ている絵を提示し,チクチ ト ゲ ト ゲ イラしたり,心が傷つく言葉(チク ク言葉のイメージが浮かびやすいように の絵 チク言葉)について話し合う。 する (T2)。
○言われたことのある「チクチク言 ○児童から出てきた言葉には,評価を加え 葉」はどんなものがあるか。 ず受容する。
・ばか ・まぬけ ○特定の児童の名前が出てしまった場合
・ドジ ・ちび は,その児童に非難が集中しないように
・むかつく ・うざい 配慮する (T1)。
○ チクチク言葉 を言われたとき「 」 ,○今までの経験から感じていることを想起 どんな気持ちだったか。 させることで 「ちくちく言葉」のもつ,
・いやな気持ち 性質を捉えさせるようにする。
・悲しい
○「チクチク言葉」を声に出して言 ○ 実 際 に 口 に 出 さ せ る こ と で 「 チ ク チ ク, い そのときの気持ちを話し合う, 。 言葉」が双方の心を傷つける力をもって
いることを意識させる。
○教師の役割演技をみて,それぞれ ○「チクチク言葉」を使う役(T1)と言 の気持ちを考える。 われる役(T2)を教師が行うことで,
・言われた人がかわいそう そのときの状況や気持ちが児童に理解し
・言っている人もかわいそう やすくなるようにする。
・顔が怒っている ○言われた方,言った方,両者の気持ちを
・悲しそうな顔をしている 考えさるとともに,それをみている周囲
・聞いていてもいやな気分 の人間もいやな思いをすることに気づく
。( , ) ことができるようにする T1 T2
☆チクチク言葉が心を傷つけることに気づ くことができる。
◆ふだん何気なく口にしていた言葉が,友 達を傷つけていたことに気づくことがで きる (発言)。
2 0 3 言われるとうれしくなったり,元 ○ふわふわの柔らかい線で描いた絵を掲示 ふ わ ふ わ 気が出たりする言葉 ふわふわ言葉( ) し,ふわふわ言葉のイメージをとらえや の絵 について話し合う。 すくする (T2)。
○言われてうれしかった「ふわふわ ○発言が少ない場合には,日常生活の具体 言葉」はどんなものがあるか。 的な場面を例に挙げる等,想起しやすい
・じょうずだね よう助言する (T1)。
・すごいね
・ありがとう
・一緒に遊ぼう
・だいじょうぶ?
○ありがとうジャンケンを行う。 ○ジャンケンで勝った人が「ありがとう」
・ してくれてありがとう を言うことにより,ふわふわ言葉を言う 遊んでくれて~。 方と言われた方,双方の立場で気持ちを やさしくしてくれて~。 考えることができるようにする。
○児童の動きを見ながら,助言を行う。
(T1・T2)
○ありがとうジャンケンをして,ど ○どんなことでありがとうと言われたか, ニ コ ニ コ んな気持ちになったか話し合う。 言われてどんな気持ちがしたかを振り返 し て い る
・いい気持ち らせる。 女 の 子 の
・うれしい 絵
・心が温かくなる ☆ふわふわ言葉は相手の気持ちをうれしく
・優しい気持ちになる することができることに気づくことがで きる。
◆友達への温かい言葉を言ったり,言われ たりすることで,自分や相手を元気にし たり,うれしくしたりすることに気づく ことができる(発言)
7 4 今までの生活を振り返り,これか ○板書を手がかりに学習を振り返らせる。
らの友達への関わり方を考える。 (T1)
・ふわふわ言葉をたくさん言った ○生活の中で感じてきたことや,今日の学 り言われたりしたい。 習で感じたことから,2つの言葉の違い
・これからはチクチク言葉を言わ に気づくことができるようにする。
ないように気をつける。
3 5 これから,友達からもらったふわ ○ノートに記録していくことで,ふわふわ 心 の ノ ー
ふわ言葉を,心のノートに記録して 言葉の暖かさを意識していけるようにす ト
いくことを知る。 る。
(3)板書計画
○○くんに
ばかっていわれたの。
○○さんに
きらいっていわれたの。
ふわふわことば うれしい
ちくちくことば かなしい
ばか あほ ちび
う ざ い ど じ て め え
でぶ きら い さい あく
あそ ば な い
あだな を よ ば れる
ありが と う
じょ う ず だ ね
やさし い ね
いっしょに あ そ ぼ う
うれしいあんしんするあったかいにこにこことばっていいな