ウェブサイエンスの研究をしていま す。「ウェブサイエンス」とは、ウ ェブの産みの親であるティム・バー ナーズ=リーらによって提案された 新しい科学領域です。ウェブページ やリンクが爆発的に増加したことに よって、現実社会とは別の社会がネ ット上に構築され、発展を続けてい ます。そうした創発的な特性がどの ように生じたのか、どのように利用できるのか、今後ど んな現象が生まれるのか、それが人類にとってどのよう な意味を持つのか。そういった問題の解明を一緒に目指 しませんか?
岡 瑞起
21世紀に入り、世界の先進国は工業化社会から高度情 報化社会へ変容を遂げつつあります。そこでは、「物」や「エ ネルギー」に比べて、「情報」とそれが内包する「知識」が、
より大きな価値と役割を担います。知識集約型の情報産業 は、既に我が国の産業の中で極めて重要な地位を占めてい ますが、今後もその重要性はますます増大し、「情報」の
本質を理解し使いこなす人材の必要性も、ますます大きく なっていくに違いありません。「情報」は現代文明を支え る科学技術のキーワードです。情報科学類では、社会のあ らゆる分野で必要とされる「情報」に関する科学技術を対 象にした学問ー情報学ーを学びます。情報学は、情報その ものについての科学と、コンピュータなどを用いて情報を
資格など
卒業要件以外に「教職科目」や「博物館学」の単位を修 得すれば、教員や学芸員の資格が得られます。
取得できる資格 教員免許
中学校一種免許状(数学) 高等学校一種免許状(数学、情報) 社会教育主事、学芸員、司書教諭
この他に、以下のような資格を有している卒業生や学類 生がいます。
情報処理技術者試験 基本情報技術者 応用情報技術者
ネットワークスペシャリスト エンベデッドシステムスペシャリスト 情報セキュリティスペシャリスト Oracle認定Javaプログラマ LPICレベル1
第一級陸上無線技術士 工事担当者DD第1種 第3種電気主任技術者 技術士補(電気電子) 弁理士 など
設備
扱う技術とを対象にした学問であり、電子工学、通信工学、
機械工学などの工学、数学、物理学、生命科学など自然科 学、さらには、社会科学・人文科学や医学、芸術など、多 様な分野に関連する新しい学問分野です。
専門として学べる内容
情報科学類には、ソフトウェアサイエンス、情報シス テム、知能情報メディアの3つの分野があります。1・2 年次では、共通の基礎的知識や理論及び技術を学び、3
・4年次では3つの分野の専門的な科目を学びます。4年 次では、選択したテーマを基に研究室に配属され、卒業研 究を行います。卒業研究では、ソフトウェア科学、計算機 システム、知能情報、情報数理の各分野から提供される 多彩な研究テーマを選択できます。
特長
情報科学類は、情報学の基礎となる考え方や技術を学ぶ だけでなく、これらを実社会における様々な問題に適用し て解決するための思考力と洞察力を養い、情報化社会の中 核となる人材を育てることを目指しています。そのために 情報科学類では、情報科学の基礎理論、コンピュータを用 いた情報処理技術、基礎理論や技術を具体的な問題へ適用 する情報システム工学、人にやさしい知能情報技術など、
幅広い分野に対する充実したカリキュラムを用意していま す。また、講義に加えて、コンピュータを用いた演習や実 習を行い、情報学を体験的に学べるように配慮しています。
24時間、134台のiMacと30台のWindowsコンピュータが利 用可能な計算機室
92 93
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/
[ 人材養成目的 ]
現代社会の原動力である情報を生成・伝達・変換・活用するための工学的な技術やそ の原理となる数理や自然科学を理解し、それを実社会における様々な問題に適用して解 決する実践力を備え、グローバルな視点に立って情報技術の発展を主体的に担うことが できる人材を養成します。科目分類 概要 学べること
共通
1 - 2 年次では、情報科学の全体像の理解、数学の素養、情報科学を支 える理論や方法論、情報技術の基礎となるプログラミングやコンピュー タの仕組みや構成などを学習します。講義形式の授業のほか、実験・実 習をふんだんに取り入れた授業、学生が自ら学習テーマを設定する授業 など多彩な科目を用意しています。
3 年次では、情報科学の専門的学習の共通基盤となる科目を学習し、4 年次では、情報科学類での学習の仕上げとして、研究室に所属して先進 的な研究の一端を担う卒業研究を行います。
(1、2年次)線形代数、微分積分、情報 数学、確率論、統計学、論理と形式化、電 磁気学、電気回路、情報リテラシー、デー タサイエンス、プログラミング入門、コン ピュータとプログラム、論理回路、論理シ ステム、数値計算法、オブジェクト指向プ ログラミング、情報特別演習など
(3,4年次)Computer Science in English、
インターンシップ、情報技術の最新動向、
専門語学、卒業研究など
ソフト ウェア サイエンス 分野
自律して動作するロボットが人間の生活空間の中で活動したり、コン ピュータが音楽を表情豊かに自動演奏したり、あるいは、ネットワーク を通して何千台もの CPU が連携してシミュレーションを行ったり、こ のような活動の中で現代のコンピュータは複雑な情報を即座に処理して います。自然・社会・人間の脳などにある多種多様な情報をコンピュー タで処理するためには、様々な問題を数理的手法を使ってモデル化し、
適切な処理方法を考案してソフトウェアで解決することが必要です。ソ フトウェアサイエンス分野の科目では、このような情報処理の基本とな る理論とその応用技術を学びます。
数理アルゴリズムとシミュレーション、人 工知能、オートマトンと形式言語、プログ ラム理論、計算モデル論、プログラミング チャレンジ、システム数理、数理メディア 情報学、インタラクティブCG、情報線形 代数、情報可視化など
情報 システム 分野
インターネットや携帯電話などの情報通信技術は、短期間に劇的に普及 し、ダイナミックに変化を遂げる性質を持っています。しかし、表面的 には目まぐるしい変化を遂げているように見える技術も、本質的な原理 はそれほど大きく変わるものではありません。情報システム分野の科目 では、情報化社会を支える基盤技術としてのオペレーティングシステム、
プログラミング言語、データベース、プロセッサ、ネットワーク等を体 系的に理解し、更なる発展を担う能力を身につけるための学習を行いま す。
コンピュータネットワーク、計算機アーキ テクチャ、データベース概論、オペレーティ ングシステム、並列処理アーキテクチャ、
VLSI 工学、プログラム言語処理、システ ムプログラム、ソフトウェア工学、情報検 索概論、分散システム、システム評価技法、
電子回路など
知能情報 メディア 分野
コンピュータに「目・耳・知能・安全を与える」技術を学びます。例えば、
コンピュータにどのようにして知識を与えるのか、それを使えばどのよ うな思考や推論が可能となるのか、コンピュータは画像や音声をどのよ うに理解するのか、マルチメディア情報はどのようにデザインされ記憶・
伝達されるのか、ネットワークでやりとりされる情報の安全を守るには どのような工夫が必要かなどについて、演習や実習を交えながら理解を 深めます。今後ロボットやコンピュータなどの機械はますます高度化・
複雑化していきますが、これらの機械を「安全に、効率よく」かつ「簡 単に」使えるようになるための学習を行います。
信号処理概論、パターン認識、ヒューマン インタフェース、認知科学概論、情報理論、
信号解析、ディジタル信号処理、音声聴覚 情報処理、自然言語処理、視覚情報科学、
知織処理概論、情報セキュリティ、画像メ ディア工学、画像認識工学、機械学習など
情報科学類パンフレットの請求方法
●パンフレット等は、学類Webページからダウンロード可能です。
●
http://www.coins.tsukuba.ac.jp/
テレメールによる請求もできます。(p.175 資料請求番号541280)
教員からの一言
ウェブサイエンスの研究をしていま す。「ウェブサイエンス」とは、ウ ェブの産みの親であるティム・バー ナーズ=リーらによって提案された 新しい科学領域です。ウェブページ やリンクが爆発的に増加したことに よって、現実社会とは別の社会がネ ット上に構築され、発展を続けてい ます。そうした創発的な特性がどの ように生じたのか、どのように利用できるのか、今後ど んな現象が生まれるのか、それが人類にとってどのよう な意味を持つのか。そういった問題の解明を一緒に目指 しませんか?
岡 瑞起
21世紀に入り、世界の先進国は工業化社会から高度情 報化社会へ変容を遂げつつあります。そこでは、「物」や「エ ネルギー」に比べて、「情報」とそれが内包する「知識」が、
より大きな価値と役割を担います。知識集約型の情報産業 は、既に我が国の産業の中で極めて重要な地位を占めてい ますが、今後もその重要性はますます増大し、「情報」の
本質を理解し使いこなす人材の必要性も、ますます大きく なっていくに違いありません。「情報」は現代文明を支え る科学技術のキーワードです。情報科学類では、社会のあ らゆる分野で必要とされる「情報」に関する科学技術を対 象にした学問ー情報学ーを学びます。情報学は、情報その ものについての科学と、コンピュータなどを用いて情報を
資格など
卒業要件以外に「教職科目」や「博物館学」の単位を修 得すれば、教員や学芸員の資格が得られます。
取得できる資格 教員免許
中学校一種免許状(数学)
高等学校一種免許状(数学、情報)
社会教育主事、学芸員、司書教諭
この他に、以下のような資格を有している卒業生や学類 生がいます。
情報処理技術者試験 基本情報技術者 応用情報技術者
ネットワークスペシャリスト エンベデッドシステムスペシャリスト 情報セキュリティスペシャリスト Oracle認定Javaプログラマ LPICレベル1
第一級陸上無線技術士 工事担当者DD第1種 第3種電気主任技術者 技術士補(電気電子)
弁理士 など
設備
扱う技術とを対象にした学問であり、電子工学、通信工学、
機械工学などの工学、数学、物理学、生命科学など自然科 学、さらには、社会科学・人文科学や医学、芸術など、多 様な分野に関連する新しい学問分野です。
専門として学べる内容
情報科学類には、ソフトウェアサイエンス、情報シス テム、知能情報メディアの3つの分野があります。1・2 年次では、共通の基礎的知識や理論及び技術を学び、3
・4年次では3つの分野の専門的な科目を学びます。4年 次では、選択したテーマを基に研究室に配属され、卒業研 究を行います。卒業研究では、ソフトウェア科学、計算機 システム、知能情報、情報数理の各分野から提供される 多彩な研究テーマを選択できます。
特長
情報科学類は、情報学の基礎となる考え方や技術を学ぶ だけでなく、これらを実社会における様々な問題に適用し て解決するための思考力と洞察力を養い、情報化社会の中 核となる人材を育てることを目指しています。そのために 情報科学類では、情報科学の基礎理論、コンピュータを用 いた情報処理技術、基礎理論や技術を具体的な問題へ適用 する情報システム工学、人にやさしい知能情報技術など、
幅広い分野に対する充実したカリキュラムを用意していま す。また、講義に加えて、コンピュータを用いた演習や実 習を行い、情報学を体験的に学べるように配慮しています。
24時間、134台のiMacと30台のWindowsコンピュータが利 用可能な計算機室
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群学 工理
群学 報情
群学 医
群学 門専 育体
群学 門専 術芸 群学 境環 命生 群学 化文
・文 人
群学 際国
・会 社
群学 間人 近年の情報技術の発展により、メール・
メッセージなどの文書データや、写真・
ビデオ・音声などのメディアデータな ど、多様かつ大量のデータを日々生成・
蓄積する「ビッグデータ」と呼ばれる 時代となりました。多くの研究者の努 力により、これらのデータを分析する ことでデータを生み出した人間や組 織、社会が「今」どのような嗜好や考 え方、意見を持っているのかなどを知ることが出来るように なりつつあります。コンピュータを通じて「今」を瞬時に分 析できるようになったとき、人類の生活はより豊かに発展し ていくのではないでしょうか。大量のデータを扱った研究に 興味のある方は是非この情報科学類で共に学びましょう。