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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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氏 名 飯い いEA AE EA AEあ さEA AE E 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 甲第470号

学 位 授 与 年 月 日 平成27年3月18日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第2項該当

学 位 論 文 名 大型動物の広範な中枢神経領域に遺伝子導入可能な AAV ベクターの 開発

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 尾 仲 達 史

(委 員) 教 授 水 上 浩 明 講 師 佐 藤 正 章

論文内容の要旨

1 研究目的

中枢神経の広範な領域に病巣のあるAlzheimer病などの疾患に対する遺伝子治療用のベクター としてアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus, AAV)由来のベクターが期待されている。こ れまで、霊長類の種々の型のAAVを使用して、血管内投与により中枢神経に効率よく遺伝子導入 可能なAAVベクターの作製が試みられてきた。自己相補性9型AAV (self-complementary AAV9, scAAV9)ベクターを使用すると、血液脳関門(blood brain barrier, BBB)を超えて中枢神経に遺伝 子を送達可能であることが報告されているが、scAAV9 は搭載できる配列が短く、この点が本研 究の目的には合致しなかった。また、強力な CMV/CAGプロモーターを使用すると成体動物で遺 伝子発現する細胞の大部分がグリア細胞であるという難点がある。本研究では、これらの問題点 を解決する成体の大型動物においても広範な中枢神経領域の神経細胞に特異的に遺伝子導入でき るAAVベクターを開発することを目的とする。

2 研究方法

1)血管内投与型AAVベクターの作製

ベクターのバックボーンには3型AAVを使用し、8型または9型AAVの外被蛋白質のアミノ 酸を数か所置換した。神経細胞または希突起膠細胞特異的な遺伝子発現を実現するため、

Synapsin I(SynI)プロモーターを使用し、マーカー遺伝子の緑色蛍光蛋白質 GFP や AADC の

miRNAを搭載したベクターを作製した。

2) 小動物を使用したスクリーニング

6週齢以上の成体マウス(C56BL/J)を使用した。1. で作製したGFPやAADCのmiRNAを 発現するチロシン変異型AAVベクター(yfAAVベクター)を心腔内投与し、中枢神経の広範な領域 でこれらの分子を過剰発現させた。投与後組織解析を行い、大型動物への遺伝子導入に最も有力 なベクターを選別した。

3) カニクイサル・ブタへの投与

成体のカニクイサル6頭、成体のブタ5頭をそれぞれ使用し、2.で選択したyfAAVベクターを 髄腔内投与した。投与後組織解析を行った。

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4)組織解析

ベクター投与4 週間後に 4%パラホルムアルデヒドによる灌流固定後、脳を摘出し、切片を作 製した。種々の抗体を使用してABC法また蛍光免疫染色法により組織染色を行った。

3 研究成果

CAG プロモーターまたは SynI プロモーターにより GFP を発現する yfAAV9/3-CAG-GFP、 yfAAV9/3-SynI-GFPを成体マウスの心腔内に投与し、両者を比較した。CAGプロモーターでは、

脳の広い範囲で遺伝子発現が観察されたが、GFP陽性細胞のほとんどがグリア細胞様の形態を示 し、そのマーカーであるglial fibrillary acidic protein (GFAP)を発現していた。また、心臓・肝 臓・腎臓などの末梢組織の実質細胞でもGFPの発現が観察された。SynIプロモーターでは、脳 の広範な領域でGFPの発現が認められ、ほぼ全てのGFP陽性細胞が神経細胞のマーカーである NeuN 陽性であった。その個数はCAGプロモーターの約4倍であった。脊髄でも、前角のcholine acetyl transferase (ChAT)陽性細胞でGFPの発現が認められた。末梢組織でのGFP発現は神経 様の形態を示す細胞に限局しており、実質細胞では観察されなかった。

プルキンエ細胞特異的なL7プロモーターを搭載した場合には、プルキンエ細胞選択的にGFP の発現を認めた。

また、SynIプロモーターにより AADCのmiRNAを発現させると、黒質緻密部の神経細胞に おいてAADCの発現が選択的に阻害されることが示唆された。

yfAAV9/3-SynI-GFP をカニクイサルの脊髄腔内に投与すると、脊髄の運動神経領域に多数の

GFP陽性細胞が認められた。また、脳の対角帯・扁桃核・小脳などにもGFP 陽性細胞が確認さ れた。ブタにおいても、脳と脊髄の広範な領域において多数のGFP陽性細胞が認められた。

4 考察

中枢神経の広範な領域に病変のある疾患に対する遺伝子治療を実現する際、BBBは大きな障害 となる。血管内投与したAAV8ベクターがBBB を通過し、成体マウスの脳において神経細胞と グリア細胞の両方に遺伝子導入されることが報告されて以来、多くの研究者が全身投与によって 中枢神経の広い範囲に治療用遺伝子を運搬できるAAVベクターの開発を目指してきた。自己相補 性9型AAV (self-complementary AAV9, scAAV9)ベクターは血管内投与によりマウス・ネコ・サ ル・ブタのBBBを通過し、中枢神経に遺伝子導入できることが明らかになってきたが、scAAV9 ベクターは挿入できる配列が短く、大きい遺伝子やプロモーター等を搭載できない。さらに、成 体のマウス、サルではscAAV9ベクターにより遺伝子導入される細胞はほとんどがアストロサイ トである。これらの点が本研究の目的には合致せず、新たなAAVベクターの開発が必要と考えた。

本研究では、神経特異的プロモーターを搭載したチロシン変異型AAVベクターの全身投与または 髄腔内投与によって、成体マウスとサルの中枢神経の広範な領域の神経細胞に効率よく遺伝子導 入できることを示した。AAVでは、外被蛋白質の表面に露出しているチロシン(Y)をフェニルアラ ニン(F)へと変えることにより、外被蛋白質がユビキチン化されるのを防ぎ、AAVが核内へ輸送さ れやすくなる。AAV2ベクターでは6か所あるYをFへ置換した種々の組み合わせのうち、3重 変異ベクター(Y444, 500, 730F)が培養細胞とマウスの肝臓において最も高い遺伝子導入効率を示 すことが報告されている。本研究において、野生型AAV9ではAAV2の500番に相当する501番

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のアミノ酸が元々フェニルアラニンだったため、2重変異型ベクター(Y446F, Y731F)を作製した. CAGプロモーターは強力な転写活性を示すが、中枢神経に限らず全身の種々の組織で外来遺伝子 を発現させる。抗原提示細胞において外来遺伝子が発現すると、中枢神経においても細胞性免疫 反応が引き起こされる可能性がある。SynIプロモーターを利用すれば、神経細胞で選択的に遺伝 子を発現させ、免疫反応を抑制することができる。本研究では、SynIプロモーターとL7プロモ ーターで選択的な発現を確認した。

AADCのmiRNAを発現するyfAAV9/3ベクターにより、黒質緻密部においてAADCの発現が 選択的に抑制されることが示唆された。この結果は、大脳基底核機能の研究において成体動物に 応用可能なmiRNA送達技術を提供するものである。

5 結論

AAV9 ベクターの外被蛋白のチロシンをフェニルアラニンに変換し、神経細胞特異的プロモー ターを搭載することによって、大型成体動物の中枢神経の広範な領域の神経細胞に効率よく遺伝 子導入可能なAAVベクターを開発した。このベクターは神経変性疾患のモデル動物作製や遺伝子 治療への応用が期待できる。

論文審査の結果の要旨

申請者は、3型AAV のinverted terminal repeats配列間に、①プロモーター配列、②GFP配列、

あるいはGFPと芳香族アミノ酸脱炭酸酵素のmiRNAの配列、③2か所のチロシン残基をフェニ ルアラニン残基に置換したAAV9の外被蛋白質の配列、を入れたベクターを作製した。プロモー ターとしては、CAGプロモーター、あるいは神経特異的プロモーターのsynapsin I プロモータ ー、あるいはプルキンエ細胞特異的 L7 プロモーターを用いている。このベクターを、マウスの 心腔内、あるいは、カニクイザルとブタの脊髄腔内に投与した。その結果、synapsin I プロモー ターを用いると、脳の広範の領域の NeuN陽性細胞が GFP を発現していることを見出した。さ らに、脊髄前角においてcholine acetyl transferase陽性細胞がGFPを発現していた。プルキン エ細胞特異的 L7 プロモーターを用いた場合は、小脳プルキンエ細胞が GFP を発現していた。

synapsin I プロモーター下にGFPと芳香族アミノ酸脱炭酸酵素のmiRNAの配列を入れたベク ターを使用すると、チロシン水酸化酵素陽性細胞のうちGFP陽性細胞においては芳香族アミノ酸 脱炭酸酵素が陰性であることが観察された。

また、synapsin I プロモーター下にGFPの配列を入れたベクターを、カニクイザルの脊髄腔 内に投与すると、脊髄の前角において多数の細胞が GFP 陽性となった。これらのデータは、

AAV3/9ベクターを利用し適切なプロモーターを用いると、心腔内あるいは脊髄腔内に投与するこ

とで神経細胞に遺伝子を導入できることを示唆している。

研究の目的が理解しやすいよう学位論文の導入部分を改訂し、一部の表現を訂正したうえで、

学位論文としてふさわしいと審査員全員一致で認められた。

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最終試験の結果の要旨

学位論文の内容に沿って発表が行われた。発表に対し、実験の目的、AAV3/9を用いる根拠とそ の新規性、ベクターの投与量の算出法、投与ベクターの比重、AAV9 の外被蛋白質のチロシンを フェニルアラニンに置換すると発現が上昇する機構、CAGプロモーターを用いると発現するニュ ーロン数が少ないことの説明、グラフの縦軸の単位、発現している細胞がニューロンであるとい う証拠、を含む様々な質問が提出された。これらの質問に対し、申請者は真摯な態度で適切に答 えた。申請者は、本研究領域に関して十分な知識と見識を備えており、審査員全員一致で、申請 者は学位を授与するに値すると判断した。

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