第 1 学年A組 美術科学習指導案
展 開 場 所 美 術 室 指 導 者 K . K 研究主題 ~心を耕す集団づくり~
教科の努力点 「ねらいを持った取り組みを通して、自他作品を大切にし、根気よく仕上げ、
鑑賞活動から学ぶことのできる生徒の育成」
1 題材名 レタリング ~絵文字~
2 題材について (1) 題材感
1 年生はのびのびと画面いっぱいに表現してきた小学校の図工学習から、計画性のあるねらい が作品の生命線となりうる美術に進み、誰もが自作品を「尐しでもよくしたい」気持ちで制作に臨ん でいるように見受けられる。とりわけ本領域のデザインは、生活全般に関わる、今やなくてはならな い情報の一端を担っており、生徒たちの関心も高い。パソコンを操作する場面も増える一方であり、
前単元の「明朝体とゴシック体」は必須ツールとなるに違いない。レタリングの導入では、新聞や雑 誌、広告チラシなどから、面白い文字集めをさせた。身近に溢れるさまざまな「デザイン」を、興味 深くノートにコレクションし、立派な「コラージュ」となった。本制作は、二字熟語の意味を踏まえて、
形と色で表現し、他に伝えることに主眼を置くものである。
新学習指導要領の 1 年生の表現に関する目標として「対象を深く観察する力、観察や想像力を 高め、豊かに発想し構想する能力や基礎的な技能を身につけ、多様な表現方法や造形要素に関 心を持ち、創意工夫し美しく表現する能力を育てる」とある。本題材では、文字そのものが持つイメ ージから発想した具象形や抽象表現を通して、その伝達の重要さに気づき、よりよい画面に構成し ていく過程で、上記表現の能力を養うことが期待できる。
また、画材として色鉛筆を採用。この身近な材料で、重色することで生み出される色の意外性や 厚みを認識してほしい。さらに、背景を工夫することで、「画面構成」の能力が芽生えることも期待し たい。完成後は相互鑑賞を行い、互いのよさや個性を認め合う雰囲気づくりも大切にしたい。
(2) 生徒の実態
(3) アンケート結果
(4)指導観
4~5 月にかけて、自己紹介時に発表した「好物」の絵を、色鉛筆で塗り「見えない物を伝わるよう に描くこと」 をした。教科書の彫塑作品「友だち」の鉛筆の模写では、「よく見て対象の特徴をつ かんで描く」という、前出とは対極にある学習をした。レタリングに入ってからは、新聞や広告チラ シから面白い字体を見つけてコラージュすることで、印刷された文字に関心を持ち、それらには、
独自の意味があり、それを読者に伝えようとしている、と気づかせた。また、明朝体とゴシック体の 基本点画をノートに写しながら塗り分けることで、二つの字体の差異を感じ取り、さらには鉛筆で の彩色では、漆黒の美しさをも知ることができた。本題材では、学習した明朝体やゴシック体をベ ースに、文字の一部を自由にアレンジするのだが、そのモチーフが置かれる環境や自然まで想 像できるように、発想を促していきたい。日ごろの観察力や生活意識の高さが反映される課題で あり、「美術には身のまわりの事物に対するアンテナの高さが関わってくる」と感じるように育てて いきたい。
3 題材の目標
・絵文字制作に関心を持ち、意欲的に制作しようとする。
・二字熟語の世界を根気強く想像し、そのイメージをつかもうとする。
(美術への関心・意欲・態度)
・文字の持つ意味を理解し、適切なモチーフを選んで構成できる。
・文字を生かす背景を考え、画面意識を持って構図できる。
(発想や構想の能力)
・色鉛筆の濃淡や重色を活用し、変化のある彩色ができる。
・文字が第三者にも正しく読み取れ、その世界観も伝わることができる。
(創造的な技能)
・完成の喜びを味わうとともに、絵文字の楽しさや美しさを、自他の作品から感じとり、友達に伝え ることができる。 (鑑賞の能力)
4 指導計画 (5時間扱い)
時 配 主 な 学 習 活 動 評 価 基 準
1
・題材を理解する。
・文字全てを絵にするのではないと知る。
・読めること、意味を伝えること、が条件と知る。
・部活関係で考えようとする。
・自然の風物で考えようとする。
1
・クロッキー帳の準備をする。
・10 ㎝×10cm の正方形二つを工夫して構図する。
・絵文字のアタリをつける。
・工夫した配置をしようとする。
・アタリを薄くつけようとする。
2
・色鉛筆の塗り方を工夫して彩色する ・原色から二次三次的な色を作ろうとする。
・濃淡や重色やグラデーションを駆使して立体感や
「らしさ」を表現する。
・自分の色を作ろうとする。
・モチーフの特徴を表現しよう とする。
・背景を塗ろうとする。
1
・鑑賞とまとめ
・お互いの作品を鑑賞しあい、完成の喜びを共有 する。
・他作品の良いところを言葉で 伝えようとする。
・文字の選択が大切と気づこう とする。
5 本時の指導
(1) 目標
・ 鑑賞カードに絵文字から受け取るメッセージを書く。
・ 班員のメッセージを読み、自分が伝えたかったものと一致したかどうかを、振り返る。
(2) 展開
時配 学習内容と活動 指導・支援(・)評価(○)
心を耕す(*)
資料
10
・絵文字が仕上がり本時は鑑賞会、緊 張しながらも友達の作品に興味が わく。
・班隊形になり、鑑賞カードを人数分 持ち記名する。
・本時の学習課題を確認する。
・よい絵文字の条件を再確認する。
○「頑張った自作品を見て もらいたい」表情が見ら れるか。
*みんな頑張ったから それぞれ良さがあるね と讃える。
○条件が思い出せ、発表 できたか。
【関心・意欲】
教師…
鑑賞カード 生徒…
クロッキー帳
教師…
フラッシュ 今日のめあて
絵文字のメッセージが伝わったか?お互いに教えあおう!
30
・順番に友達の作品を見て、どんなイ メージかをカードに書く。
・書きやすい作品と書きにくい作品が あるはずだが、誠実に意図を汲み
取ろうとする。
・当たり前のようなことも 書いて伝えようとする。
・机間指導し、班内でスム ーズに見合っているか配 慮する。
*友達の作品に熱心に見
入り言葉を探そうとする。
【関心・意欲】
*その世界観に浸り 作者の身になって コメントできたか。
【鑑賞の能力】
10
・自分のメッセージと鑑賞文の両方を 発表する。
*友達作品のよさを認め拍 手ができる。
・本時の学習内容を振り返 り、よかったところをコメン トし次時につなげる。
7 本時の板書計画
「絵文字」
今日のめあて 絵文字のメッセージが伝わったか?お互いに教えあおう!
よい絵文字の条件は?
1 読めること
2 意味が伝わること
3