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5 コンパクト空間の連続像と直積 - 東京理科大学

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(1)

5 . コンパクト空間の連続像と直積

科目: 数学演習IIB( d組)

担当: 相木

前回のプリントで定義したコンパクト位相空間で定義された写像やコンパクト空間の 直積の性質を解説する.

コンパクト空間上の連続写像

まずはコンパクト空間上で定義された写像,特に連続写像の性質をみていく.

連続写像とコンパクト性

(S1,O1)をコンパクト空間,(S2,O2)を位相空間とし,f :S1 →S2を連続写像とする.

このとき,Sf による像f(S)はS2のコンパクト集合である.

注意: 上の主張のように位相空間が複数現れる場合はコンパクト性などの性質は「どの位 相空間」でのことであるかを明確にしなくてはならない.

上の事実から以下がしたがう.

コンパクト集合の像

(S1,O1)と(S2,O2)を位相空間とし,f : S1 S2 を連続写像とする.M ⊂S1S1 のコンパクト集合ならば,そのfによる像f(M)はS2のコンパクト集合である.

この証明は演習問題にする.

コンパクト空間の直積

次に,コンパクト空間の直積を考える.そのために2つの位相空間の直積位相を復習 する(より詳しい解説は数学演習IIAのプリント12,13参照).

(2)

直積位相の定義

(X,OX),(Y,OY)を位相空間とする.写像f1 : X ×Y Xf2 : X ×Y Y を (x, y)∈X×Y に対してそれぞれ

f1(x, y) =x f2(x, y) = y

によって定める.f1f2によって誘導されるX×Y の位相をそれぞれO1, O2とす る.M=O1∪ O2とし,Mから生成される位相O(M)をX×Y の直積位相という.

X×Y の直積位相をこのプリントではOX×Y と書くことにする.

また,直積位相には以下のような性質があった.

直積位相の性質

(X,OX),(Y,OY)を位相空間とし,OX×YX×Y の直積位相とする.このとき,

B ={U ×V | U ∈ OX, V ∈ OY}

によって定められるX×Y の部分集合系BOX×Y の基底である.

BOX×Y の基底であるとは,∀U ∈ OX×Y に対してBの要素からなるある集合族W が存在し,

U = ∪

W∈W

W

と表されることであったことを思い出そう.

それでは,特にコンパクト空間の直積に対してはどのような性質があるだろうか?コ ンパクト空間は定義上位相空間なので当然上で復習したことは成り立つ.さらに次も成り 立つ.

コンパクト空間の直積

(X,OX)と(Y,OY)を位相空間とする.以下の2つは同値である.

(i) 位相空間(X,OX)と(Y,OY) は両方ともコンパクト空間である.

(ii) 位相空間(X×Y,OX×Y)はコンパクト空間である.

証明は演習問題にする.このことから直ちに分かることとして以下がある.

(3)

コンパクト集合の直積

(X,OX)と(Y,OY)を位相空間とする.また,M ⊂XN ⊂Y とする.このとき,以 下の2つは同値である.

(i) MN はそれぞれXY のコンパクト集合である.

(ii) M ×NX×Y のコンパクト集合である.

Rnにおける例

一般の位相空間においてコンパクト集合の連続写像による像や直積を考えてきたが,

抽象的でわかりづらいかと思う(位相全般に言えることではあるが...).そこで,ユーク リッド空間における例を見ながら解説をする.

連続関数による像

関数f :R Rf(x) =x3で定義し,Rの位相はともにOd(1) であるとする.前回 のプリントで解説したことから閉区間[2,3]は有界閉集合であるので特にRのコンパクト 集合である.

R R

2 3

f(3)

f(2) A

閉区間[2,3]のfによる像f([2,3])をグラフに図示すると,上の太線で描かれた部分Aに なる.Aは連続関数であるf(x) =x3によるコンパクト集合[2,3]の像なのでAもまたコ ンパクトである.実際,A= [8,27]であることがわかり,有界閉区間なので特にコンパク ト集合であることが確認できる.

(4)

プルな例の一つであるが,ポイントになっているのは 1. 関数が連続であること

2. 像をとる集合が有界で,端点などの「端っこ」を含む集合であること である.これを一般の位相空間の言葉で言い換えると

1. 写像が連続であること

2. 像をとる集合がコンパクト集合であること となるのである.

有界閉区間の直積

次にR2 (= R×R)のコンパクト集合について考察する.Rの部分集合A, BA =

[1,3],B = [2,5]とおくとA, Bは共にRのコンパクト集合である.したがってA×B

R2のコンパクト集合である.

R R

1 3

2 5

今の場合,A×Bは図のような長方形領域になるが,これはR2の有界閉集合なのでコン パクト集合である.

ここで注意しなければならないのが,R2のコンパクト集合は必ずしも2つのRのコ ンパクト集合の直積として表せるとは限らないということである.例えば,

(5)

R R

斜線を引いてある「コ」の字型の集合を考えると,これは有界であり境界まで含めれば閉 集合なのでR2のコンパクト集合である.しかし,この集合を2つのRの部分集合の直積 として表すことはできない.

したがって,「コンパクト集合の直積」で主張した同値性においては,M ⊂XN ⊂Y があらかじめ与えられていることは仮定として必要である.

(6)

予約制問題

(5-1) 「コンパクト集合の像」の主張を証明せよ.

(5-2) 「コンパクト空間の直積」の同値性について「(i) (ii)」を証明せよ.

(5-3) (S1,O1)と(S2,O2)を位相空間とし,M ⊂S1とする.また,写像f : S1 →S2を    連続写像とする.このとき,f(M)がS2のコンパクト集合であってもMS1の    コンパクト集合であるとは限らないことを具体例を1つ作って示せ.

(5-4) (S,O)をコンパクト空間とし,M ⊂SSの閉集合であるとする.このとき,M    はコンパクト集合であることを示せ.

早いもの勝ち制問題

(5-5) 「コンパクト空間の直積」の同値性について「(ii) (i)」を証明せよ.

(5-6) (S1,O1)と(S2,O2)を位相空間とし,M ⊂S1とする.また,写像f : S1 →S2を    同相写像とする.このとき,f(M)がS2のコンパクト集合であればMS1のコ    ンパクト集合であることを示せ.((5-3)の問題設定との違いに注意せよ)

(5-7) [0,1]×[0,∞)は(R2,Od(2))のコンパクト集合ではないことを定義にしたがって示せ.

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