第3学年2組 国語科学習指導案
指導者 M.S 1 単元名 「モチモチの木」の紹介リーフレットを作ろう
2 単元について
(1) 単元観
本単元は,学習指導要領の以下の内容に該当する。
〔C読むこと〕
目標(3)目的に応じ,内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えたりしながら読む能 力を身に付けさせるとともに,幅広く読書しようとする態度を育てる
① 指導事項
ウ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などに ついて,叙述を基に想像して読むこと。
オ 文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあるこ とに気付くこと。
カ 目的に応じて,いろいろな本や文章を選んで読むこと。
本単元「モチモチの木」は,端的な小見出しのついた5つの場面,はっきりとした個性をも った魅力的な登場人物,緊張感のあるクライマックス,共感性の高い主人公の変容等,「場面 ごとの登場人物の行動や会話から,人物の気持ちや性格を考える」という指導事項に適した教 材である。叙述をていねいに読むことを通して,夜一人でおしっこにいけない甘えん坊の豆太 が,じさまのために真夜中に半道もあるふもとの村まで走った時の気持ちや,豆太をあたたか く見守るじさまの気持ちを想像させたい。また,本単元で,初めて,「語り手」という言葉と 出会う。3年生のまとめの学習として、一人読みの時間を確保し,その後,登場人物の気持ち について話し合わせることで,一人一人の考え方に違いがあることに気付く力を育てたい。ま た,場面ごとの登場人物の性格や気持ちの変化を叙述に即して読み取り,感想を交流し,次に 斉藤隆介さんの他の作品を読み,紹介リーフレットを作成し,発表することを目標としてい る。
(2)単元の系統性
ない た赤 おに
●登 場 人 物の 変 化 を読 む
。
●心 に 残 った と こ ろを
, 絵 と カ ー ド に かい て 紹 介し 合 う
。
のら ねこ
●登 場 人 物の 心 の 動 きを 読
む。 モ
チ モチ の木
●登 場 人 物の 会 話 や 行動 か ら
, 想 像 を広 げ て 読む
。
●面 白 か った 本 を 紹 介し 合 う
。
3 児童の実態
(1)児童の実態調査(3年2組 30名)
① 国語の学習の中で,好きなことはなんです か。
また,苦手なことはなんですか。(複数回 答)
<好きなこと◯,苦手なこと▲>
漢字 ◯20名(66%)▲2人
( 6%)
作文書き ◯5人 (16%)▲21人(7 0%)
俳句作り ◯21人(70%)▲1人
( 3%)
物語読み ◯4人 (13%)▲11人(3 6%)
音読 ◯4人 (13%)▲12人(4 0%)
詩を書く ◯2人 ( 6%)▲14人(4 6%)
② 読書は好きですか。それはどうしてです か。
好き 24人(80%)
・物語がおもしろいから。
・いろいろな本があって楽しいから。
・いろんな言葉の意味がわかるから。
・本を読むのが好きだから。
・心がすっきりするから。
・本を読むといろんなことを学べて頭がよくなる から。
好きではない 6人(20%)
・わからない字があるから。
・おもしろくないから。
・本を読むのが苦手だから。
③ 学校の図書室へは週に何回くらい行きます か。
0~2回 18人(60%)
3~4回 9人(30%)
5~6回 3人(10%)
④ 市の図書館や公民館に週に何回くらい行き ますか。
0~2回 24人(80%)
3~4回 5人(16%)
5~6回 1人( 3%)
⑤ どんな種類の本が好きですか。(複数回答) 総記(調べる本,百科事典) 4人(13%)
哲学・宗教物語(道徳,神様の話5人(16%)
歴史・地理(昔のこと,伝記,土地のこと)7人(23%)
社会(私たちのくらし,民話) 2人( 6%)
自然(算数,理科,体のこと) 5人(16%)
技術(工業,環境,家庭科) 4人(13%)
産業(いろいろな仕事のこと 3人(10%)
芸術(音楽,図工,スポーツ,遊び)12人(40%)
言語(文字,言葉,辞典) 8人(26%)
文学(詩,物語,童話,絵本)13人(43%)
⑥ 斎藤隆介さんの本を読んだことはあります か。
ある 2人( 6%)
ない 28人(93%)
⑦モチモチの木を知っていますか。
どのような木ですか。
知っている 4人(13%)
・木がモチモチしている。
・モチモチしていてのびる木。
・少年が話しかけると怒る危険な木。
・みどりの木。
知らない 26人(86%)
(2)実態の考察
(3)指導観
「モチモチの木」について,中心人物の人物像や心情の変化を会話や行動,情景から読み取り,
紹介リーフレットを作っていく。本教材は,臆病な豆太が勇気のある子どもにしか見ることのでき ない「モチモチの木の灯」を見ることができるという話である。それは,臆病な豆太が病気のじさ まを救うために,勇気のある行動をしたからである。けれども,じさまが元気になった後の豆太 は,元の臆病な豆太に戻ってしまう。豆太の気持ちの変化について会話や行動の意味を考え,叙述 を基に豆太の気持ちを想像させる。この教材では,「場面の移り変わりに注意し,登場人物の気持ち の変化」を読むことが大切である。そのためには,「始まり」の中心人物の性格や登場人物との関 係,暮らし方を読み取る。次に,「なか」をとらえ,中心人物はいつ変わったのか,なぜ変わったの かを考えさせていきたい。そして最後に「終わり」の中心人物の性格や登場人物との関係を読み取 ることで,始まりと終わり,なかの場面を比べることで,場面で変わる登場人物の性格や気持ちの 変化について考えさせていきたい。
4 単元の目標
◯豆太やじさまの様子や気持ちの変化を想像しながら,物語のおもしろいところを紹介しようと している。 (関心・意欲・態度)
◯場面の移り変わりや情景を、叙述をもとに想像しながら読み、自分の考えをまとめることで 個々の感じ方について違いがあることに気付くことができる。 (読むこと)
◯言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くことができる。
(伝統的な言語文化に関する事項)
5 指導計画(8時間扱い)
学習
過程 時配 学習内容と学習活動 評価規準(評価の観点・評価方法)
一 次
1
・「モチモチの木」の読み聞かせを聞き,
登場人物を確認し,心に残った場面と感 想を書き,紹介し合う。
・全文を読んでの感想を豆太の性格 について,本文をもとに考えを書 いている。(関・感想カード)
二 次
1
・豆太とじさまがどんな人物か考えよう。
・1の場面から豆太とじさまの人物像がわ かる文に線を引き,どんな人物か考え る。
・自分で考えたことを発表し合い,豆太と じさまがどんな人物なのかを話し合う。
・豆太の臆病な性格と,豆太がじさ まの優しさを受けてくらしている ことを読み取ろうとしている。
(読・ノート)
1
・昼間と夜の豆太の様子や気持ちの違いを 考えよう。
・昼間と夜のモチモチの木に対する豆太の 様子や気持ちのわかる文に線を引き,自 分の考えをもつ。
・自分で考えたことを発表し合い,モチモ チの木に対する豆太の気持ちを話し合 う。
・豆太のモチモチの木に対する気持 ちとじさまの豆太に対する優しさ を読み取ろうとしている。(読・
ノート)
1
・モチモチの木に灯がともる話を聞いた豆 太の様子や気持ちを考えよう。
・モチモチの木に灯がともる話を聞いた豆 太の様子や気持ちがわかる文に線を引 き,自分の考えをもつ。
・じさまから,モチモチの木に灯が ともる話を聞いた豆太の様子や気 持ちを書いている。(読・ノート)
・自分で考えたことを発表し合い,モチモ チの木に灯がともる話を聞いた豆太の気 持ちを話し合う。
1 本時 (5/8)
・医者様を呼びに走る豆太の様子や気持ち を考えよう。
・医者様を呼びに行くときの豆太の様子や 気持ちがわかる文に線を引き,自分の考 えをもつ。
・自分で考えたことを発表し合い,医者様 を呼びに行く豆太の気持ちを話し合う。
・寒くて,怖い夜道を走った豆太の 様子や気持ちを書いている。
(読・ノート)
1
・じさまの言葉から豆太の人物像を考えよ う。
・じさまの言葉に注目し,じさまが豆太の 成長に込めた想いがわかる文に線を引 き,自分の考えをもつ。
・自分で考えたことを発表し合い,豆太に 対するじさまの想いを話し合う。
・じさまの言葉から豆太に対する思 いを書いている。(読・ノート)
三 次
1
・モチモチの木の紹介リーフレットを作ろ う。
・豆太の様子や気持ちの変化に注目し,自 分のお気に入りの場面を中心にモチモチ の木の紹介リーフレットを書く。
・伝えたいことをワークシートに書 き,必要な事柄を収集したり選択 したりしてまとめている。(伝・
ワークシート)
1
・発表しよう。
・自分の紹介リーフレットを発表する。
・言葉づかいや声の大きさ,速さに 気をつけて話している。(話・発 表)
6 本時の指導(5/8)
(1) 目標
◯豆太やじさまの様子や気持ちの変化を想像しながら,物語のおもしろいところを紹介しようと している。 (関心・意欲・態度)
◯豆太やじさまの様子や気持ちが表れている言葉に着目し,場面と場面とを関連させながら想像 して,自分の考えをまとめ個々の感じ方について違いがあることに気付くことができる。
(読むこと)
(2)展開
時配 学習内容と学習活動 指導・支援(◯)評価(◎)方法 資料 5
10
20
10
1.(四)の場面を音読する。
2.峠を走っているときの豆太の気持 ちを考える。
3.意見交流をする。
・泣きながら走ったから,怖かった んだよ。
・霜が足にかみついて,血がでたか ら,痛くて寒かったんじゃない。
・「大好きなじさまの死んじゃうほう が,もっとこわかったから」って 書いてあるから,じさまのことを 考えていたんじゃない。
・いつも丈夫で強いじさまの一大事 だから何とかしなくちゃって思っ たんじゃない。
・大切な人を助けたかったんだよ。
4.ノートに意見交流を通して感じた ことや考えたことをまとめる。
・豆太に勇気があったから,モチモ チの木に灯がともって見えたんだ と思う。
・おくびょうか勇気があるのか迷っ ちゃう。
・豆太のじさまを助けたい気持ちが よくわかった。
◯豆太とじさまの様子がわかるところ に線を引き,そこから考えるように 声をかける。
◎ノートに自分の意見を書くことがで きる。(ノート)
◯峠を走る豆太の様子と気持ちを叙述 をもとに読み取ることで,豆太のじ さまの急病に対する驚きや恐れ,助 けたい一心の気持ちを考えていくよ う声をかけ,意見交流につなげる。
◎自分の考えを明らかにし,発表する ことができる。(発表)
◯意見交流を行い,自分の読みと同じ 部分や違う部分を意識しながら意見 交流ができるよう声をかける。
◯友だちの意見を聞いて,「考えが変 わった」ことや「考えが深まった」
ことなどを,友だちの名前や言葉を 書き入れながらまとめるように声を かける。
◎友だちの意見を聞いて感じたことや 同じ意見や違う意見について思った を書くことができる。(ノート・発 表)
挿絵の掲 示
挿絵の掲 示
挿絵の掲 示 医者様を呼びに走る豆太の様子や気持ちを考えよう。
(3)板書計画
モ チ モ チ の 木
斎 藤 隆 介
勇 気 ある 豆 太
お く びょ う 豆太 モ
チモ チ の 木に ひ と もる 豆 太 の勇 気 が ひを つ け た!
↓ 豆太 のや さ しさ
(4)並行読書
題名 作者 出版社
花咲き山 八郎
斎藤隆介 斎藤隆介
岩崎書店 福音館書店
医者 様 を 呼び に 走 る豆 太 の 様子 や 気 持 ちを 考 え よ う
。