第1学年 組 体育科学習指導案
平成28年6月7日(火) 第4時限 活動場所 体育館 第1学年 組(男子15名,女子17名)計32名 指導者 1 単元名 「体つくり運動」(体ほぐしの運動)
2 単元について (1)一般的特性 【機能的特性】
・体を動かす楽しさや心地よさを味わうことによって,自分や仲間の心や体の状態に気付き,体の調子を 整えたり,仲間と交流したりする運動である。
【構造的特性】
・1学年で扱う体つくり運動は,「体ほぐしの運動」と「多様な動きをつくる運動」で構成されており,心 と体をほぐしたり,様々な運動の基本的な動きを培ったりすることができる運動である。
【効果的特性】
・日常生活における健康の保持増進,体力の向上についての効果的な実践力を身に付けることができる運 動である。
(2)児童生徒から見た特性
・手軽に誰もが楽しめる教材を通して学習することができるため,運動経験の有無や得手不得手に限らず,
学習課題を達成する喜びを味わうことができる。
・仲間と協力して行う課題を通して,課題を達成した喜びを互いに分かち合うことができる。
・様々な体の基本的な動きを通して,体を動かす喜びに目覚め,運動に対する好意的な態度を培うことが できる。
(3)児童生徒の実態
本学習を行うに当たり,事前に紙面によるアンケート調査と,運動技能に関する実技調査を行った。
(5月
12
日,32人実施)<情意面>
好き どちらかというと好き あまり好きではない 好きではない
体育の学習が好きである。 27名 4名 1名 0名 遊具遊びが
好 き で あ る。
鉄棒遊び 25名 6名 1名 0名
のぼり棒遊び 19名 4名 5名 4名
つり輪遊び 18名 6名 5名 3名
タイヤとび 22名 4名 2名 4名
かけっこ・鬼ごっこが好き 25名 5名 1名 1名 この調査から,学級のほとんどの児童が体育は好きであると答えている。日常的にも業間休みや昼休み
を楽しみにしており,男女共にかけっこや鬼遊び,固定遊具などで体を動かしている姿を多く見かける。
「友達と仲よくなれるから」「校庭が広くて気持ちいいから」「運動すると楽しい気分になる」などを主な 理由として挙げている。しかし,身長の低い児童はタイヤを跳び越すことや,つり輪に手が届かないこと で,十分に遊べないためにあまり好きではないと回答していることが分かった。鬼ごっこでは「ふやし鬼」
や「こおり鬼」などを楽しんでいる児童が多かった。
<技能面>
できる できない かけっこ(20~30mをまっすぐ走る) 28名 4名
スキップをする 26名 6名
鉄棒遊び 30名 2名
のぼり棒遊び(上まで登れる) 7名 25名
タイヤとび(両手をつき飛び越せる) 14名 18名
この調査から,かけっこでは,8割以上の児童がまっすぐに走ることができた。コースを外れてしまう 児童は,視線が定まっていないことや,腕の振り方,地面の蹴り方のバランスが悪いことなどが考えられ る。スキップは幼稚園や保育園で大半の児童が経験してきているものの,リズミカルな動きが取れず手足 の動きがぎこちない児童が2割ほど見られた。鉄棒遊びでは,「つばめ」「ふとんほし」「ぶたのまるやき」
など低学年で行う基本的な技で調査を行った。休み時間にも取り組む機会が多いので9割の児童ができて いた。のぼり棒遊びやタイヤ跳びは,腕力や体重移動の仕方が十分に身に付いていない児童にとっては,
まだ難しいことが分かった。これらの実態から,遊びの中で培われてきた素地はあるものの,体のいろい ろな部分を動かす経験は少ない児童が多い。そこで,楽しく学習を進めながら多様な運動の経験を持つこ とが必要であると考える。
(4)教師の指導観
子どもたち一人一人の運動遊びの経験は,生活環境とともに変わってきており,これまで遊びや生活の中で自 然と身に付いていた動きが,小学校入学前の段階で身に付いていないことが指摘されている。本学級にも入学か ら間もなく,転倒時に手をつけず顔に怪我をした児童や,バランスを崩して倒れ,腕を骨折した児童がいる。バ ランス感覚や身のこなしなど,自分の体を制御する力を高めていく必要性を感じている。
本単元では,様々な体の基本的な動きを経験できるように,力いっぱい体を動かす機会を作っていきたい。そ こで,「にんじゃのわざをみにつけよう!」と題し,体つくり運動を忍者の修行に見立て,児童が忍者になりき り夢中で運動に取り組むようなストーリー性のある授業展開を行う。
まず,体ほぐしの運動では,仮設①に述べられている特性を生かした運動の機会を多く設けていく。風船遊び やボールリレーなどのびのびとした動作で用具を用いた運動,じゃんけん列車や体を使ったじゃんけんなどリズ ムに乗って心が弾むような動作の運動,伝承遊びや集団による運動遊びなどを取り入れる。ここでは技能の向上 よりも,手軽な運動や律動的な運動を行い,児童の「もっと動きたい」「動くとわくわくする」といった気持ち を大切にしていきたい。また,体を動かすことの楽しさを十分に実感させるために,音楽やリズム太鼓を用いて 学習の場が楽しい雰囲気で満たされる工夫もしたい。
次に,多様な動きをつくる運動遊びでは,体のバランスをとる運動遊び,体を移動する運動遊び,用具を操作 する運動遊び,力試しの運動遊びを組み合わせ,基本的な動きを身に付けさせる。ローテーション形式にして繰 り返し運動することにより,できなかった動きを何度も行ったり,場に応じた動きを工夫したりできるようにし ていく。それぞれの運動遊びに「忍法○○」と命名して取り組ませ,工夫した動きやよい動きを教え合い伝え合 う場を設けたい。ここでは仮設②に述べられている運動の楽しさやできた喜びを分かち合うことが期待できるだ ろう。しかし,この時期の児童は,語彙も少なくうまく伝えられないことも予想できる。よって,教師による言
用などこの時期の1年生は十分に身に付いていないので,基本的な内容も習得できるように支援していく。
3 単元の目標
<技能>
・心と体の変化に気付いたり,体の調子を整えたり,みんなで関わり合ったりするための手軽な運動や律 動的な運動ができるようにする。
<態度>
・運動に進んで取り組み,きまりを守り仲良く運動したり,場の安全に気を付けたりしている。
<思考・判断>
・体つくりのための簡単な運動の行い方を工夫できるようにする。
4 評価規準
運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運動の技能 内容のまとまり
(領域)ごとの評 価規準
運動に進んで取り組み,き まりを守り仲良く運動した り,場の安全に気を付けた りしている。
体つくりのための簡単な運動 の行い方を工夫している。
心と体の変化に気付いたり,体 の調子を整えたり,みんなで関 わり合ったりするための手軽 な運動や律動的な運動をして いる。
単元(種目)の評 価規準
・体つくり運動に進んで取 り組もうとしている。
・友達と協力して,用具の 準備や片付けをしようと している。
・運動をする場や用具の使 い方など安全に気を付け ようとしている。
・体ほぐし運動の行い方を知 るとともに,友達と一緒に 運動をしたり用具を使った りするなど,運動の行い方 を選んでいる。
・多様な動きをつくる運動遊 びの行い方を知り,運動す る場や使用する用具などを 変えながらいろいろな運動 の仕方を見付けている。
・友達のよい動きを見付けて いる。
・多様な動きをつくる運動遊び では,体のバランスをとった り移動したりする動きや用 具を操作したり力試しをし たりする動きができる。
学習活動に即し た評価規準
①体つくり運動に進んで取 り組もうとしている。
②友達と協力して,用具の 準備や片付けをしようと している。
③運動をする場や用具の使 い方など安全に気を付け ようとしている。
①体つくり運動の行い方や動 き方を知っている。
②友達と体つくり運動を選ん だり,用具や場を選んだり している。
③友達のよい動きを見つけて 自分の動きに取り入れてい る。
①姿勢や方向を変えて,体のバ ランスをとる動きができる。
②体を移動するいろいろな動 きができる。
5 指導と評価計画(第1年前期 8時間)
第1 学 年
学 習 の 流 れ
時 間
0
5
10
15
20
25 30 35
40
45
1 2 3(本時) 4 5 6 7 8
習得の段階 活用の段階
オ リ エ ン テ ーション 1 学 習 課 題
の確認
2 学 習 の 進 め 方 や 決 ま りを知る
3 教 師 が 紹 介 す る 体 つ く り 運 動 を 試してみる
1 用具や場の準備 1 用具や場の準備
2 学習課題を確認する。
○めあて 安全の確認
2 学習課題を確認する。
○めあて 安全の確認 3 体ほぐしの運動に取り組む。
○いろいろな体ほぐしの運動を組み合わ せ,友達や教師と行う。
・のびのびとした動作で用具を用いた運 動(忍法たまなげの術)
・リズムに乗って心が弾むような動作で 運動(忍法じゃんけんの術)
・動作や人数を変え,歩いたり走ったり する運動
(忍法しのび歩きの術)
・伝承遊びや集団による運動遊び (忍法わおくりの術)
・ストレッチ(体のばしの術)
3 多様な動きをつくる運動遊びに取り組む。
○いろいろな運動遊びを組み合わせ,友達や教師 と行う。
・体のバランスをとる運動あそび
(忍法一本橋わたりの術=平均台わたり)
・体を移動する運動遊び
(忍法あめんぼの術=ケンステップ)
・用具を操作する運動遊び
(忍法たま運びの術=ボール運び)
・力試しの運動遊び
(忍法力比べの術=押し相撲)
4 学習のふり返り ○感想を伝え合う ○カードの記入
4 学習のふり返り ○感想を伝え合う ○カードの記入
後片付け
指 導 と 評 価の 機 会
関・意・態
③(観察) ②(観察) ①(観察) ①(カード)
思考・判断
①(観察 カード) ①(観察 発言)
③(観察 カード)
技能
にんじゃをめざして しゅぎょうをしよう。
にんじゃのいろいろなわざに ちょうせんしよう。
にんじゃのわざをみにつけよう!
動き 場の設定
進んで取り組む
安全 協力
体ほぐし
バランス 移動
6 本時
(1)目標
【 態 度 】体ほぐしの運動に進んで取り組むことができるようにする。
【思考・判断】体ほぐしの運動の行い方や動き方に気付こうとしている。
(2)展開
過程 時間 学習内容と活動 指導・支援(○)評価(☆) 用具・資料
は じめ
10 1 用具や場の準備をする。
2 学習課題を確認する。
・いろいろな体ほぐしの運動を楽しむことを確認す る。
○素早く整列し,元気に楽しく運動できるよ うにする。
○前時で体ほぐしの運動を行ったことを想起 させ,本時でも友達と仲よく楽しく運動す るように言葉かけをする。
○友達にふれる時の力の加減や,周りをよく 見て運動することを確認する。
掲示物
な か 10
10
10
3 体ほぐしの運動を行う。
・歩いたり走ったりする体ほぐしの運動 スキップでハイタッチ
(忍法てあわせの術)
ラインウォーキング
(忍法しのびあるきの術)など
・伝承遊びや集団による体ほぐしの運動 だるまさんがころんだ
(忍法こおりの術)
フラフープ送り
(忍法わおくりの術)など
・ペアでストレッチ(忍法からだのばしの術)
背中を伸ばす
腕を引っ張って伸ばす 足をぶらぶらさせる など
○リズムに乗れるような音楽をかけたりリズ ム太鼓を打ったりして楽しい雰囲気づくり をする。
○ハイタッチでは,声を出し合い笑顔で楽し く行うように支援する。
○ラインウォーキングで動きが消極的になり がちな児童には,友達や教師のまねをして 歩いてよいことを伝える。
○きまりや順番を守り,仲良く運動できるよ うに支援する。
☆いろいろな体ほぐしの運動に進んで取り組 んでいるか。 (観察)
○ストレッチでは,ゆったりとした音楽に合 わせ心と体を静めていけるようにする。
○ストレッチの時は静かにやさしく行うこと を伝える。
CD リズム太鼓
フラフープ にんじゃをめざしてしゅぎょうをしよう。
ま とめ
5 4 学習のまとめを行う。
・運動した時の体と心の状態について発表したり,
カードに記入したりする。
・用具や場の後片付けをする。
○それぞれの運動でどんな気持ちになったか を具体的に聞いていく。
☆体ほぐしの運動の行い方や動き方に気付く ことができたか。(発言・学習カード)
学習カード