2 年-1-
第2学年 組 体育科学習指導案
平成28年12月15日(木) 第5時限 活動場所 体育館 第2学年 組(男子13名,女子17名)計30名 指導者 1 単元名 「跳び箱をつかった運動遊び」(器械・器具を使っての運動遊び)
~ポケモンランドで遊ぼう~
2 単元について
(1) 一般的特性 【機能的特性】
・跳び箱を使って,リズミカルに助走をしたり,大きく跳んだり,手で体を支持したり,きれいに着地したり など日常の動きとは異なったいろいろな動きを体験できる運動である。
・いろいろな動きに楽しく取り組み,自分の力にふさわしい動きを身に付けたときに喜びを味わうことが できる運動である。
【構造的特性】
・基礎的な技をより高めたり,できそうな発展技に挑戦したりする運動である。
・跳び箱と関連の深い動きに意図的に取り組み,基礎となる感覚を身に付けることができる運動である。
【効果的特性】
・自己の課題をもって工夫しながら取り組み,仲間で互いに励まし合い,助け合って学習を進める運動であ る。
(2) 児童から見た特性
・できなかった動きができるようになったり,上手にできるようになったりしたときの楽しさや喜びを感 じることができる運動である。
・運動を行う中で仲間から励ましてもらったり,ポイントを教えてもらったりして,互いにできたときの喜 び,達成感を感じることができる運動である。
(3) 児童の実態
学習を行うにあたり,跳び箱遊びに対する意識調査,技能調査を実施した。(10月25日,30人実施)
〈情意面〉
1.体育の学習は,好きですか。 好き どちらともいえない 嫌い
25名 4名 1名
好きな理由(複数回答)
・運動が楽しい,好きだから。(9) ・走るのが好きだから。(4) ・思いきり運動できるか。(2)
・いろいろなことができるようになるから。(2) ・跳び箱が好きだから。
・おもしろいから。 ・ジャンプが好きだから。 ・できたら嬉しいから。
・スポーツが好きだから。 ・体が強くなるから。
嫌いな理由
・疲れるから。
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2.跳び箱遊びは,好きですか。 好き どちらともいえない 嫌い
22名 3名 5名
好きな理由(複数回答)
・いろいろな段に挑戦できるから。(6) ・跳ぶのが好きだから。(5) ・高い段を跳べると楽しいか ら。(3) ・楽しいから。3 ・跳べたら嬉しくて,跳べなか ったら次頑張ろうっていう気持ちになるから。 ・さらに上手になるから。
・タイヤ跳びが好きだから。 ・踏み切り板で跳ぶと高く跳べるから。
嫌いな理由
・怖いから。(2) ・跳べないから。(3)
3.どのようにしたらとびばこを上手にとべると思いますか。
・足をいっぱいに広げて,手をしっかりとつく。(11) ・手を遠くにつく。(10)
・大きくジャンプする。(6) ・思いきり走る。(3)
・脚を高く上げる。 ・体重を前に落とす。
・1段から始めて,増やしていく。
・踏み切りを強くする。
4.とびばこを学習する時に気をつけることは何ですか。
・しっかりと手をつく。(10) ・ふざけない。(3)
・人とぶつからないように気をつける。(2) ・ケガをしない。(2)
・高く跳びすぎてケガをしないように気をつける。 ・踏切板の前で止まらないようにする。
・落ちないようにする。 ・最後にしっかりと着地する。
・頭を下に向けるとそのまま落ちてしまうから,頭を上げてしっかりと前を向く。
・始める時に「行きます。」と言う。 ・時間を守る。
・話を聞く。 ・できなかった人を笑わない。
〈技能面〉
開脚跳び
5段 3段
よくできる 6名(20%) 9名(30%)
だいたいできる 20名(67%) 17名(57%)
できていない 4名(13%) 4名(13%)
開脚跳び
よくできる だいたいできる できていない 両足で踏み切れているか。 9名(30%) 7名(23%) 14名(47%)
跳ぶ際に腰が高く上がっているか。 9名(30%) 14名(47%) 7名(23%)
跳び箱の先に両手で着手しているか。 24名(80%) 2名(7%) 4名(13%)
両足で着地してバランスをとれたか。 14名(47%) 6名(20%) 10名(33%)
本学級では,休み時間には積極的に外に出て遊べる児童が多い。遊んでいる内容は,ドッジボールやサッカーな どのボール遊びなど団体で遊んでいる。また,サッカー,野球,スイミング,バレエなど運動系の習い事にも積極的で,
2 年-3-
休みの日や放課後に体を動かすことへの興味・関心が高いと言える。上記の結果からも体育が好きと答える児童 が多く,日頃の授業でも楽しそうに体を動かしている。今までの跳び箱遊びでも用具の準備を協力して,素早く行 い,「少しでも早く始めたい。」という様子で,意欲満々で跳ぶ様子も見られた。しかし,跳び箱が出来ないから跳び 箱遊びが好きではないと答える児童が数人いた。その児童が意欲的に取り組むことができ,かつ安心して楽しめ る場を作りたいと思う。「どのようにしたら跳び箱を上手に跳べると思いますか。」の質問に対しては,跳び箱の動 きのポイントを知ってはいるが,実際に跳ばせてみるとそれが動きには入っていなかった。「とびばこを学習する 時に気をつけることは何ですか。」の質問には,安全に取り組もうという意識をもつ児童が多く,授業の中でも約 束をしっかりと守る様子がある。
(4)教師の指導観
低学年の児童にとって体育科というものは体をたくさん動かしながら楽しく遊ぶ学習である。その中には, 中学年,高学年で必要となる基礎的な感覚を身に付ける運動が盛り込まれている。それにより楽しく意欲的に 取り組ませていくために,児童が好きなポケットモンスターをテーマに進めていこうと思う。体育館に6つの 場を設定して,それぞれの目的をもった動きを身に付けさせたい。それぞれの動きに近いポケモンの真似をす る雰囲気の中で楽しく遊びながら跳び箱に対する恐怖心を払拭でき進められたらと考え,題材を「ポケモンラ ンドであそぼう」とした。
しかし,単なる遊びで終わることのないように低学年という発達段階を踏まえて,今後の跳び箱運動に発展し ていく基礎の感覚を意図的に入れていこうと考えた。跳び箱は,助走→第一踏み込み→第二踏み切り→第一空 中局面→着手→第二空中局面→着地の運動経過をたどっていく。その中で「助走から踏み切り」,「着手」,「着 地」の3つの要素にポイントを絞り,動けるよう様々な場を設定した。仮説①で述べている「運動の特性に触れ させる」では,例えば体を支持して,うさぎ跳び,かえるの足打ちなどの感覚づくりを身に付けて,しっかりと着手 をする。そして,着手の位置を工夫することで今後の開脚跳び,かかえこみ跳び,台上前転などに発展していく。
どの場にもそれぞれの大切な運動の要素が含まれていることを念頭に跳び箱遊びを楽しませたい。たくさんの 場の中で跳び箱の一連の動きをスモールステップで身に付け,繰り返し学習することで跳び箱の特性を身に付 けさせていきたい。
器械運動は,できる,できないがはっきりする運動であるということを考えると,児童全員が楽しく,満足感,安 心感をもてる雰囲気と受容的な人間関係をつくることが大切である。個の学習で終わることのないように,仮 説②で述べているように「話し合いの場や技能を伝え合える場」を設けていきたい。グループ学習を取り入れ, 準備や活動,片付けなどを協力して行わせる。また,互いに動きを見せ合いながら,話し合ったり,アドバイスをし たり,励まし合うことで共感的な人間関係をつくり,楽しく跳び乗りや跳び下りなどの跳び箱の動きを身に付け させていきたい。互いに動きを見る際には,具体的にどのポイントに注意するのか,よい動きについて擬音など を用いて指導していきたい。また, 低学年ということで語彙の量が少なく,称賛の声掛けが難しい。よって,教師 が意図的に肯定的な言葉がけを頻繁に行ったり,掲示物を作ったりして児童の言語活動を向上させていきたい。
グループの編成は,実態調査や普段の生活態度を考慮した上で効果的に学習が進められるように異質の集団を 教師側がつくる。そして,よい動きができない児童がいるグループは,互いの能力を認め合い,個にあった場を工 夫して設定できる関係づくりを指導していきたい。
上記のことを常に意識させながら跳び箱遊びをさせることで,跳び箱ができない児童,自信のもてない児童に も運動の楽しさを味合わせるために,小さな変化や努力を見逃さずに認めていき,満足感や安心感,学習への意欲 をもたせたい。また,児童が,リズミカルな助走や楽しく充実した学習ができるように,音楽をかけて運動の場に 活気をもたせたい。
2 年-4-
3 単元の目標
◯態度 きまりを守り,仲良く運動をしたり,場の安全に気をつけたりしようとしている。
◯思考・判断 跳び箱を用いた簡単な遊び方を工夫できるようにする。
◯技能 跳び乗りや跳び下り,手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗りなどができる。
4 評価規準
運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運動の技能 内容のまとまり
(領域)ごとの 評価規準
跳び箱を使った運動遊びに 進んで取り組むとともに,順 番やきまりを守り,仲良く運 動をしようとしたり,運動す る場の安全に気をつけよう としたりしている。
器械・器具を用いた簡単な 遊び方を工夫している。
器械・器具を用いた運動遊 びを楽しく行うための基本 的な動きや各種の運動の基 礎となる動きを身につけて いる。
単元(種目)の評 価規準
跳び箱を使った運動遊びに 進んで取り組むとともに,順 番やきまりを守り,仲良く運 動をしようとしたり,運動す る場の安全に気をつけよう としたりしている。
跳び箱を使った運動遊びの 行い方を知るとともに,運動 をする場や使用する器械・
器具などを変えながら,いろ いろな運動の仕方を見付け ている。
跳び箱を使った運動遊びの 動き方を知るとともに,友達 の 良 い 動 き を 見 付 け て い る。
跳び箱を使った運動遊びで, 跳び乗りや跳び下りをした り遊ぶ,手を着いてのまたぎ 乗りや跳び乗りをしたりで きる。
学習活動に即し た評価規準
①跳び箱を使った運動遊び に進んで取り組もうとし ている。
②運動の順番やきまりを守 り,友達と仲良く運動をし ようとしている。
③友達と協力して,跳び箱の 準備や片付けをしようと している。
④運動をする場や跳び箱の 使い方などの安全に気を 付けようとしている。
①跳び箱を使った運動遊び を知り,跳び箱を使って, 楽しく遊ぶことができる 場 や 遊 び 方 を 選 ん で い る。
②跳び箱を使った運動遊び のなかで,友達の良い動き を見付けている。
①ジャンプして跳び下りて 両足で着地することがで きる。
②助走から両足で踏み切り, 跳び箱に乗ったり,ジャン プして跳び下りたりする ことができる。
③助走から両足で踏み切り, 跳び箱に両手を着いてま たぎ乗ったり,またいだ姿 勢で手を支点に体重を移 動させてまたぎ下りたり することができる。
2 年-5-
5 指導と評価計画
第 2 学 年
学 習 の 流 れ
時間 1 2 3 4 5(本時) 6 7
0 5
10
25
30
35 45
オリエンテーション 習得の段階 活用の段階
1 約束づくり
◯跳び箱やマットの運 び方
◯場の準備の仕方
◯跳び箱遊びの約束 2 場の準備
・分担しておく 3 感覚つくりの運動
◯うさぎ跳び
◯クマ歩き
◯馬跳び
◯ワニ歩き
◯かえるの足打ち 3 それぞれの場に合
った遊び方を知る
1 場の準備
・分担しておく。
1 場の準備
・分担しておく。
2 学習課題の確認 2 学習課題の確認
3 感覚つくりの運動(ゲットタイム)
・毎時間ごとにポイントに合った感覚つくりに取り組む。
◯うさぎ跳び
◯クマ歩き
◯馬跳び
◯ワニ歩き
◯かえるの足打ち
3 感覚つくりの運動(ゲットタイム)
◯うさぎ跳び
◯クマ歩き
◯馬跳び
◯ワニ歩き
◯かえるの足打ち
4 ローテーションでの学習
◯ホウオウジム
・着地の方法を知る。
◯ピカチュウジム
・手で体を支持して,リズム良く跳び箱を駆け上がる。
◯ニャースジム
・平均台を使い,手で体を支持して両足で跳んで,両足で着地する。
◯ヒコザルジム
・手で体を支持して,腰を上げて前に移動する動きを知る。
◯ミュウジム
・助走をして両足で踏み切り,ステージに上る動きを知る。
◯チャレンジジム
・開脚跳びや抱え込み跳びなどの様々な動きに挑戦する遊びを知る。
5 頑張った友達やよい動きを紹介する
・それぞれの動きや成長している児童を取り上げ,紹介する。
4 ローテーションでの学習
・それぞれの場でポイントを意識しながら運動する。
5 自信のある動きを友達に紹介する。
・自分にあった場を選択して,学習の成果を知らせる。
・皆でオノマトペを確認してポイントを意識する。
本時の振り返り・後片付け
指 導 と 評価 の 機 会
関・意・
態
思考・判 断
技能
ポケモンランドでの遊び方を知って,ジムで練習しよう。 ポケモンランドで自信のあるジムを友達に発表しよう。
友達のよい動き 遊び方
安全 協力 ルール 選んで取り組む
踏み切り
着地 着手
②(観察)
③(観察)
①(観察)
①(学習カード) ②(観察)
④(観察) ③(振り返りカード) ②(観察) ①(観察)
2 年-6-
6 本時
(1) 目標
◎関心・意欲・態度 運動の順番やきまりを守り,友達と仲良く運動をしようとしている。
◯思考・判断 跳び箱を使った運動遊びを知り,跳び箱を使って,楽しく遊ぶことができる場や遊び方を選 ぶことができるようにする。
◎技能 助走から両足で踏み切り,跳び箱に両手をついてまたぎ乗ったり,またいだ姿勢で手を支点に体 を移動させてまたぎ下りたりすることができるようにする。
(2) 展開
過程 時間 学習内容と活動 指導・支援(◯)評価(☆) 用具・資料
は じ め
4
1
1 学習準備を行う。
・用具の準備を行う。
・短時間で効率よく準備運動をする。
・学習の約束を確認する。
2 学習課題の確認をする。
◯安全に用具が取り扱えるように指 導する。
◯けがの防止を指導する。
◯視覚的に捉えられるように掲示物 も使って確認させる。
掲示物 マット 平均台 跳び箱 踏み切り板 ロイター板 ポートボー ル台 フラフープ
な か
5
16
3 感覚づくりの運動(ゲットタイム)
・グループの人数を変えていきながら感 覚づくりの運動に取り組む。
① 馬跳び
② うさぎ跳び
③ かえるの足打ち
4 ローテーションの学習
・2分で時計回りに場を移動する。
・それぞれの場でポイントに気をつけな がら運動する。
・グループで協力し合って楽しむ。
・ポケモンセンターでよい動きや注意す るところを助言し合う。
◯よい児童の動きを紹介して周知さ せる。
◯支持して自分の体重を動かす感覚 をつかませる。
◯着手の位置を前にして体重移動を 意識させる。
◯着手を安定させることで腰を安定 させる。
◯動物になりきることを助言する。
◯動きがつかめていない児童には,周 りを見るように指示する。
◯移動の仕方を確認させる。
◯移動の際には,ケンパーで移動する ように助言する。
◯ポケモンセンター(輪の中)にい る児童によい動きを具体的に助言 し,見るポイントを意識させる。
◯ポイントを達成できている児童に は,それぞれの場で工夫した跳び方 を考えさせる。
◯動きをオノマトペを用いて助言す る。
ポケモンの イラスト
CD ラジオカセ ット 各場に 掲示物 ポケモンランドでの遊び方を知って,六
つのジムで練習しよう。
・ニャースジム(平均台で支持して川跳 び) ↓
・ホウオウジム(またぎ越し・両足で着 地) ↓
2 年-7-
5 5 がんばった友達や,よい動きをしてい る児童を紹介する。
・ヒコザルジムでよい動きや工夫してい る,成長した児童を皆の前で紹介する。
◯うまくポイントを意識できない児 童がいるグループには,場の変更の 工夫をしてよいことを指導する。
◯児童の成長を捉えて,肯定的な声掛 けを行う。
☆助走から両足で踏み切り,跳び箱に 両手を着いてまたぎ乗ったり,また いだ姿勢で手を支点に体を移動さ せてまたぎ下りたりすることがで きる。 (観察)
◯次時の意欲につながるようにさせ る。
◯オノマトペのポイントを意識させ, 皆で発声して確認するように助言 する。
まと め
10
5
6 学習のまとめを行う
・それぞれの場でのポイントに気を付け ながら遊べたか自己評価する。
・学習のふり返りをする。
・全体で本時の学習を振り返る。
・学習カードを基にできたことや今日の
「すごいきずぐすり」(べストアドバイ ス)を発表する。
7 片付け
・片付けの約束を確認する。
・安全に気を付ける。
・分担して協力しながら片付ける。
◯自己評価に困っている児童には,擬 音のポイントに気を付けて出来た かを想起させる。
☆運動をする場や跳び箱の使い方な どの安全に気を付けることができ る。 (学習カード)
◯準備や友達と協力ができたかを想 起させる。
◯板書して視覚的に捉えさせる。
◯共感的に捉えるように助言する。
◯今後の学習で使えるように促す。
◯児童が片付けをする際に危険な場 を支援する。
◯分担場所が終わった児童には,他の 分担場所を協力するように促す。
学習カード 振り返り カード
・チャレンジジム(開脚跳びなど)
↓
・ヒコザルジム(支持でのまたぎ乗り・
下り) ↓
・ピカチュウジム(支持での跳び乗り)
↓
・ミュウジム(腕支持をして舞台に跳び 上がる)
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場の設定
ステージ
マット
ロイター板 マット
跳び箱 3段
跳び箱 2段
跳び箱 1段
とびばこ(大)
3段
とびばこ(大)
マット
3段平均台
ポケモンセンター
マット
跳び箱 6段
跳び箱 3段
ポートボ ール台 跳び箱
3段
マット
マット
ヒコザルジム ピカチュウジム
チャレンジジム ミュウジム
ニャースジム
ホウオウジム
マット
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