第3学年○組 体育科学習指導案
指導者 M・K
1 単元名 マット遊び(基本の運動)
2 単元について
(1)運動の特性
①一般的特性
マット運動は,回転・支持・バランスなどの単技や組み合わせ技に取り組み,できるようにな る楽しさや技のできばえを楽しむことのできる運動である。
②児童からみた特性
・いろいろな技に挑戦し,できるようになると楽しい。
・いろいろな技や技の組み合わせができると楽しい。
・友達と教え合ったり,励まし合ったりすると楽しい。
・非日常の動きに対する恐怖感がある。
(2)児童の実態(男子12名,女子23名,合計35名)
事前にアンケート調査を行った。結果は下記の通りである。
□情意面□
質 問 事 項 は い ふつう いいえ
1 体育の授業は好きですか。 25人 9人 1人
(71%) (25%) (3%)
2 マット遊びが好きですか。 15人 17人 3人
(43%) (49%) (9%)
3 前まわりはできますか。 33人 2人
(94%) (6%)
4 後ろまわりはできますか。 20人 15人
(57%) (43%)
マット遊びで「 楽しい・うれしい」と思うのは ・できたとき
5 どんなときですか。 ・回っているとき
・みんなとやっているとき
・いろいろな物に挑戦するとき マット遊びで「楽しくない・つまらない」と思うの ・できないとき
6 はどんなときですか。 ・マットが嫌いだから何でもいや
・痛いとき
・前回りがきらい
□技能面□
1 前回り 回れる 12人 手をついて起きあがる 19人 できない 3人
(35%) (55%) (9%)
2 後ろ回り 上手に回れる 1人 手をつかずにどうにか回る 16人 できない 16人
(3%) (47%) (47%)
3 横回り 回れる 25人 曲がるが回れる 8人 できない 2人
(71%) (23%) (6%)
4 側転 足を伸ばして回れる 足が曲がるが回れる 9人 できない 19人
6人 (18%) (26%) (56%)
5 倒立 挑戦できる 17人 挑戦できない 17人
(50%) (50%)
<考察>
体育の学習は1人以外嫌いではない。しかし,マット遊びとなると好きと答える子がぐっと減 ってしまう。これは,マット遊びが楽しいと感じていないためだと思う。自分がみんなのように できないと感じたり,苦痛と感じているせいであると思われる。自分のめあてをもって,学習に 参加させる必要があると考えられる。
前まわりや後ろまわりができると答えている子が多いが,実態調査をしてみるときちんと出来 ている子が少なく,ただ回っているという感覚だけでできたと言っていることがわかる。きちん とできると言うことはどんなことか知らせていきたい。さらに,後転がほとんどできていないの で,重点指導として位置づけ指導を行っていきたい。
3 学習のねらい
〈関心・意欲・態度〉
・一人ひとりがめあてをもって運動ができる。
・互いに教え合い励まし合って練習できる。
〈技能〉
・いろいろな方向へ,いろいろな形態で転がったり,手や足で支えて回転したりする動きができる。
・いろいろな前まわり,後ろまわりができる。
・きれいな前まわりができると共に,いろいろな前まわりに挑戦できる。
・きれいな後ろまわりができると共に,いろいろなまわり方と組み合わせができる。
〈学び方〉
・自分のめあてを同じ場所で学習している友達に知らせ,教え合ったり,認め合ったりしながら練 習できる。
〈安全〉
・準備体操を十分に行い体をほぐす。
・マットの安全を確かめる。
4 単元計画〈マット運動〉時間配分(総時間 360分 45分×8回)
段階 時配 学 習 活 動 と 内 容 指導(○)支援(◎)評価(◆) 資料等
○オリエンテーション ○時間計画を示し,学習の見通しを持 リズム太鼓
・学習のねらいや進め方を知り, たせる。
つ 学習の見通しを持つ。 ○安全に運動に取り組んでいくための 音楽テープ 45 ・めあての持ち方を理解する。 助言をする。
・マット遊びでの約束事について ○マット遊びの約束を説明し,きちん 学 習 計画の
か × 話し合う。 と守らせる。 掲示
・準備運動や整理運動の仕方を理 ○マット遊びの基礎となる動きを確認
1 解する。 し,ドリル運動を紹介する。
む ○ドリル運動を行い,自分の動き ◎うまくできない児童には,そばにつ
の課題を知る。 いて一緒に行う。
◆ドリル運動に進んで挑戦することが できる。
学習カード ねらい1:今できる回り方で,前まわりをきれいに回ろう。
な 続けて回ったり,組み合わせて回ったりしよう。
45 ○前まわりを練習する。 ○ マ ッ ト の 運 び 方 や 置 き 方 に 気 を つ け
・各自が自分のめあてを教えあい, させる。
か × で き ば え を 見 る と き は , 相 手 の ○ 動 き が い い 加 減 に な ら な い よ う に , め あ て を よ く 知 っ て 言 葉 か け を 学習カードを活用させる。
2 する。 ◎手の付き方や回り方を個別に見て,
声をかけていく。
1 ◆ 協 力 し て 励 ま し 合 い な が ら 練 習 で き る。
◆ 今 で き る 回 り 方 を 繰 り 返 し た り , 組 み合わせたりできる。
学習カード ねらい2:今できる回り方で,後ろまわりをきれいに回ろう。
な 続けて回ったり,組み合わせて回ったりしよう。
45 ○後ろまわりを練習する。 ○マットの運び方や置き方に気をつけ
・各自が自分のめあてを教え合い, させる。
か × できばえを見るときは,相手の ○ 動 き が い い 加 減 に な ら な い よ う に , めあてをよく知って言葉かけを 学習カードを活用させる。
2 する。 ◎ う ま く 回 れ な い 子 や , 個 別 に 声 を か けたり補助をしたりする。
2 5/8
本持 ◆協力して励まし合いながら練習でき
る。
◆ 今 で き る 回 り 方 を 繰 り 返 し た り , 組 み合わせたりできる。
学習カード な ねらい3:もう少しできそうな回り方に挑戦しよう。
○回りやすいマットや,練習の場 ○マットが安全に敷かれているかどう 45 を工夫する。 かを確認し,必要に応じて注意を与 か ○もう少しできそうな回り方を練 える。
× 習する。 ◎力にあった回り方が選べてない児童
・各自がやりやすいマットに移っ や無理な児童には個別に助言する。
2 て挑戦したり,練習したりする 3 ・同じ場に集まった者どうしで見
合い,教え合って行う。 ◆新しい回り方ができるようになる。
ま 45 ねらい4:できたことを,みんなにしょうかいしよう。 学習カード と × ○練習の成果を発表する。 ◆ 他 の 人 の 演 技 を 見 て 良 い と こ ろ を さ
がせる。
め 1 ◆ 自 分 の で き る 演 技 を 行 う こ と が で き る。
5 本時の学習(5/8)
(1)ねらい
〈関心・意欲・態度〉
・友達と教え合い励まし合いながら,ねばり強く練習することができる。
・一人ひとりがめあてを持って運動することができる。
〈技能〉
・できる回り方を調子よく繰り返したり,もう少しでできそうな回り方に挑戦して楽しむことが できる。
〈学び方〉
・めあての達成をめざして,場や用具を選んで練習することができる。
〈安全〉
・体を十分にほぐすことができる。
・マットの安全を確かめる。
(2)展開
時配 学 習 活 動 と 内 容 指導上の留意点○ 支援◎ 評価◆ 資料等
5 ○準備運動を行う。 リズム太鼓
5 ○ドリル運動を行う。 ○一つ一つの動きをしっかりと行わせ,
・ゆりかご 全身をほぐすようにさせる。
・カエルの足うち
・カエル倒立
・川とび
10 めあて1: 後ろまわりをきれいに回ろう。
○自分のめあてを確認する。 ○ 学 習 カ ー ド を 用 い て , 各 自 の め あ て 学習カード を確認する。
◎ め あ て に 無 理 が な い か 観 察 し , 必 要 に応じて助言する。
○ き れ い に 回 っ た り , 上 手 に な っ た り し た 児 童 を 賞 賛 す る 。 同 時 に , 教 え 合いのできている児童を認めていく。
○グループごとに練習の成果を確かめる。◆後ろまわりをきれいに回れる。
15 めあて2: 続けて回ったり,組み合わせて回ったりしよう。
もう少しでできそうな技に挑戦しよう。
○自分のめあてを確認する。 ○ 事 前 に 挑 戦 す る ま わ り 方 の 人 数 を 把 学習カード 握し,場の調整をする。
◎ め あ て に 無 理 が な い か 観 察 し , 必 要 に応じて助言をする。
◆ め あ て の 達 成 を め ざ し て , 場 や 用 具 を選んで練習をすることができる。
○ 3 回 以 上 挑 戦 し た ら 次 の 場 所 へ 移 動 する。
◆ 友 達 に , 技 の ポ イ ン ト を 教 え る こ と ができる。
◎ 自 分 の め あ て に 向 か っ て 努 力 し た 児 童の演技を紹介し称賛する。
5 ○本時のまとめをする。 ○ 学 習 カ ー ド を 使 い , 今 日 の 学 習 に つ 学習カード
・学習カードの記入をする。 いて振り返らせる。
○ 本 時 の 努 力 を 称 賛 し , 次 時 の 学 習 へ 5 ○整理運動をする。 の意欲づけを図るようにする。
○用具の後片づけをする。 ○安全に留意し,協力して素早く後片 づけさせる。
(3)場の設定
ス テ ー ジ
6はん 1はん
5はん 2はん
4はん 3はん
さ
れ 川 足 ジ か 二
ひ グ く 人
と ら ザ だ ぐ
ん き グ り み
び
ぞ
足 さ
く か
く び 上
も り
ち
アンケート
なまえ
1,外遊びはすきですか。 はい ふつう いいえ 2,何をして遊びますか。
3,体育の中でどの学習がすきですか。
マット とびばこ てつぼう
ボールなげゲーム ボールけりゲーム
4,体育のじゅぎょうはすきですか。 はい ふつう いいえ
5,マット遊びはすきですか。 はい ふつう いいえ
6,前まわりはできますか。 はい いいえ
7,後ろまわりはできますか。 はい いいえ
8,マット遊びで,「たのしい・うれしい」と思うのはどんなときですか。
9,マット遊びで,「たのしくない・つまらない」と思うのはどんなときですか。
マ ッ ト 遊 び に ち ょ う せ ん
3年( )
前まわりをきれいにまわろう
つづけてまわったり,組み合わせてまわったりしよう
前まわりの注意点
☆今日ちょうせんするまわりかたに○をつけよう。
前 足
ま 前を
わ まひ
り わら
りく
二 横
前人 ま
まで わ
わ り
り
大 二
前ま 横人
また まで
わ歩 わ
りき り
マ す
前ッ 横わ
まト まり
わこ わ
りえ り
高
前い 川
ま所 と
わか び
りら
ジ 台
前ャ と
まン び
わプ こ
り し
れ い
前ん れろ
まぞ んい
わく ぞろ
り く
マ ッ ト 遊 び に ち ょ う せ ん
3年( )
後ろまわりをきれいにまわろう
つづけてまわったり,組み合わせてまわったりしよう
後ろまわりの注意点
☆今日ちょうせんするまわりかたに○をつけよう。
後 後足
ろ ろを
ま まひ
わ わら
り りく
後二 後高
ろ人 ろい
まで ま所
わ わか
り りら
後足 後さ
ろく ろか
まび まを
わ持 わ上
りち りる
後か 後ジ
ろた ろグ
ま足 まザ
わの わグ
りび り
後ひ
ろざ 川
まの と
わば び
りし
後う 台
ろで と
まく び
わみ こ
り し
後れ い
ろん れろ
まぞ んい
わく ぞろ
り く
できたかな?
1 自分のめあてを
いっしょうけんめいにできた。
2 いっしょうけんめいに練習できた。
3 友だちとおしえあったり,
はげましあったりできた。
4 あんぜんに注意して
まわることができた。
5 まわるときに「いきます」の
あいずができた。
第3学年「マット遊び」
1 児童の変容
□情意面□
質 問 事 項 は い ふつう いいえ
実施前 実施後 実施前 実施後 実施前 実施後 1 体育の授業は好きですか。 25人 25人 9人 11人 1人 1人
72% 68% 25% 30% 3% 2%
2 マット遊びが好きですか。 15人 20人 17人 15人 3人 2人
43% 54% 49% 40% 9% 6%
3 前まわりはできますか。 33人 36人 2人 1人
94% 97% 6% 3%
4 後ろまわりはできますか。 20人 36人 15人 1人
57% 97% 43% 3%
マ ッ ト 遊 び で 「 楽 し い ・ う れ し い 」 と 思 う ・できたとき 5 のはどんなときですか。 ・回っているとき
・みんなとやっているとき
・いろいろな物に挑戦するとき マット遊びで「楽しくない・つまらない」と ・できないとき
6 思うのはどんなときですか。 ・マットが嫌いだから何でもいや
・痛いとき
・前回りがきらい
□技能面□
1 前回り 回れる 手をついて起きあがる できない
実施前 35% 実施前 56% 実施前 9%
実施後 76% 実施後 24% 実施後 0%
2 後ろ回り 上手に回れる 手をつかずにどうにか回る できない
実施前 4% 実施前 48% 実施前 48%
実施後 18% 実施後 53% 実施後 29%
3 横回り 回れる 曲がるが回れる できない
実施前 71% 実施前 23% 実施前 6%
実施後 71% 実施後 29% 実施後 0%
4 側転 足を伸ばして回れる 足が曲がるが回れる できない
実施前 18% 実施前 26% 実施前 56%
実施後 23% 実施後 39% 実施後 38%
5 倒立 挑戦できる 挑戦できない
実施前 50% 実施前 50%
実施後 100% 実施後 0%
2 考察
○成果
・ドリル運動でカエルの足うちや壁倒立を積極的に行ったので,倒立に対する恐怖心が消え
「逆立ちをやってごらん」と言うとみんな出来ないなりに挑戦はするようになった。
・見てもらうと子どもたちは張り切って行う。いつも2人で学習を行えるので,子どもたちの のびがよかった。
○課題
・マット遊びの段階なので,手の付き方や起きあがり方を注意するのは二の次で,子どもたちが 楽しく活動をすればいいのかとても悩む。
・生活班をベースに活動をさせているが、能力的に低い子を中心に見るには広がりすぎてしまう
ので考えなければならない。
・後半で挑戦させるときに,子どもたちはみんながやっているからおもしろそうという気持ちが 強く,待つ時間が長くなり運動量が少なくなってしまう場面が多く見られてしまった。
・学習カードを使って活動をさせたが,自分なりの出来たという評価にしてしまい,本当に出来 ているのか確認が出来ていなかった。
3 講師指導
○子どもたちが意欲的だった。
○教え合いの子どもたちの見る目が育っていた。
△人数が多すぎるのではないか。
○ドリル運動で子どもたちに必要な物が取り入れられていた。
○マットの置き方が全体に見やすいように工夫されていた。
△内容に一貫性を持たせること。(調子よく→きれいに)