第5学年○組 体育科学習指導案
指導者 Y・U 1 単元名 ボール運動(サッカー)
2 単元について
(1)運動の特性
①一般的特性
サッカーは2つのチームが攻守入り交じり,手を用いないでパスやドリブルなどでボールを運び,相手 のゴールにシュートをして得点を競い合って楽しむゴール型の運動である。またゲームにおいては,チー ムでの攻防の役割を分担し,作戦をたて楽しむことができる。
②児童からみた特性
児童にとっては,バスケットボールやドッジボールなどで使い慣れている手ではなく,主に足を用いる ため,思い通りにボールを扱うことが難しい運動である。しかし,パスやドリブルでボールをつなぎ,相 手の守りをかわしてシュートを決めたときの喜びがとても大きく,仲間と協力して役割や作戦を考えたり,
かけ声や指示をだし合ったりしながら楽しく行える運動でもある。
(2)児童の実態(男子21名,女子16名,計37名)
事前にアンケート調査を行った。結果は以下の通りである。
□情意面□
質問事項 はい ふつう いいえ
1 体育の学習は好きですか。 30名(81%) 5名(14%) 2名(5%)
2 サッカーは好きですか。 7名(19%) 19名(51%) 11名(30%)
3 サッカーをしていて「うれし かったとき・楽しかったと き」はどんなときですか。
・点が入ったとき 19名(51%)
・勝ったとき 10名(27%)
・シュートをしたとき 6名(16%)
・男子のボールをとったとき 1名( 3%)
・ボールに触ったとき 1名( 3%)
4 サッカーをしていて「つまら なかったとき,楽しくなかっ たとき」はどんなときです か。
・点を入れられたとき 13名(35%)
・負けたとき 10名(27%)
・ボールに触れなかったとき 8名(23%)
・男子ばかりでやっているとき 2名( 5%)
・ミスをして文句を言われたとき 2名( 5%)
・転んだり,ボールがぶつかったりしたとき 2名( 5%)
□技能面□
パ ス 対人パス
できる だいたいできる できない 正確に蹴る 20名(54%) 12名(32%) 5名(14%)
強く蹴る 13名(35%) 21名(57%) 3名( 8%)
ドリブル 8の字ドリブル
できる だいたいできる できない 正確にドリブルをする 21名(57%) 7名(19%) 9名(24%)
速くドリブルをする 11名(30%) 15名(43%) 10名(27%)
シュート ポストシュート
できる だいたいできる できない 正確にシュートをする 17名(46%) 18名(49%) 2名( 5%)
強くシュートをする 10名(27%) 14名(38%) 13名(35%)
トラップ 浮き球トラップ
できる だいたいできる できない 浮いたボールをとめる 7名(19%) 8名(23%) 22名(58%)
<考察>
本学級は活発的な児童が多い。そのため,休み時間などは男女ともにドッジボールや鬼ごっこなど絶 えず体を動かして楽しんでいる姿が多く見られる。また,野球のチームに所属している児童や水泳,ダ ンス,バレーボール,バスケットボールといった運動を習い事として取り組んでいる児童が多いクラス である。5年生の体育の授業では,マット運動,リレー,走り幅跳び,バスケットボール,ソフトボー ルなどを学習した。個人の技能を伸ばすとともに,ソフトボールではチームとして作戦を立てたり,練 習を考えたりして仲間と協力して学習に取り組んだ。どの学習においても,自分のめあてをもち,意欲 的に取り組めるようになってきた。
事前のアンケート結果からサッカーという運動に対してあまり良い印象は抱いていない。サッカーク ラブに所属いている児童がいないという理由だけではなく,正規のサッカーボールがなかったり,サッ カー用のゴムボールの数が少なかったりとサッカーという活動にふれる機会が一般的な児童に比べて 少ないと言える。そのことが,興味・関心の低さや休み時間の活動にもつながってきているのではない だろうか。また,サッカーが好きでないと答えた児童が30%という結果から,ボールを思い通りに扱 えないことや,サッカーの楽しさと言われている,ゴール(シュート)することやボールに触るという ことに機会が少なくおもしろさを感じるまでには至っていないのではないかと思われる。そのため,ボ ールに触れる事への不安を取り除くためにも,ドリル運動での反復練習や状況判断での約束事などを徹
底させて,サッカーの楽しさを追求させていきたい。また,女子の意欲を高めるためにも,ゲームでの 女子のボーナス点の導入や,ルール改正を行うことで対応していきたい。
(3)仮説とのかかわり
ドリル運動は,8の字ドリブル,マッスルシュート,パターパスを行う。ドリブルについては,左 右の足やインサイド,アウトサイド,足の裏,つま先など色々な部位を使うことで,ボールに慣れ,
ボール感覚が養われていくであろうと考える。また,タイム計測することで,技能の向上が数字でわ かり,競争意識を芽生えさせ,互いに切磋琢磨して上達していくようにする。マッスルシュートでは,
サッカーの一番の目的であり,快感であるゴールにシュートを決めるという経験を多くさせることに より興味や関心を高め,キックの正確さの向上につなげるようにするのが目的である。パターパスで は,インサイドキックを習得することで,強さや速さではなく正確さが最も重要な要素であることを 理解させ,チームでパスをつなげられるようにする。これらのドリル運動により,ボール感覚が高ま り,試合で生かせる技能が身についていくのではないかと考える。
3 学習のねらい
<関心・意欲・態度>
・進んでゲームや試合に取り組み,サッカーを楽しむことができる。
・互いにルールやマナーを守って,安全に気をつけて運動することができる。
・チーム内で互いに協力し,励まし合いながら活動することができる。
<技能>
・状況に応じてボールをとめたり,シュートやパス,ドリブルを使って攻撃したりすることができる。
・攻守のポジションを理解し,防御の動きなどを身につけてゲームをすることができる。
・ルールを理解して,チームのめあてや作戦に応じた動きでゲームを行うことができる。
<学び方>
・チームの良さや課題に応じた作戦を立てたり,自分の役割を考えたりしてゲームに生かすことができる。
・作戦を成功させるための練習方法を選んだり,工夫したりして活動することができる。
・練習や試合を通して,チームの良さや課題,相手チームの特徴に気づき,次の計画に生かすことができる。
<安全>
・学習の場や運動の安全に気をつけて活動することができる。
4 単元計画(サッカー)時間配分(総時数315分 45分×7回)
段階 時配 学習内容 指導(○)支援(◎)評価(◆) 資料等 つ
か
む
45
×
1
○ オリエンテーション
・授業での約束やきまりを確認する。
・学習のねらいや進め方を知り,学習 の見通しを持つ。
・サッカーのルールの確認をする。
・審判の仕方を知る。
・ドリル運動の内容を知る。
・チーム編成と役割分担をする。
○ドリル運動の方法やポイントを整 理し,実際に行う。
○時間計画を示し,学習の見通しを 持たせる。
○安全な学習の進め方を確認する。
○学習を進める上での約束を確認す る。
○各チームの力が均等になるように チーム編成をする。
◎チームの中で教え合い,認め合い ができるように助言する。
◆学習の内容を理解して取り組むこ とができる。
○ドリル運動を紹介する。
◎ドリル運動のポイントを確認し,
実際に行いながら,児童が課題に 意欲的に取り組めるよう助言す る。
◆ドリル運動の仕方を理解し,進ん で取り組むことができる。
授 業 の 進 め 方プリント 学習カード
マーカー カ ラ ー コ ー ン
ド リ ル 運 動 の道具
な
か
1
45
×
3
○ドリル運動を行う ・8の字ドリブル ・マッスルシュート ・パターパス
○パスを意識した蹴り方の練習をす る。
・ボールの蹴り方
・3対1(とっちゃいやよ)
・コーン当てゲーム
○ミニゲーム(4対4)9チーム ・ミニゲームの中で様々な状況での
○安全に配慮しているか確認する。
○ボールの蹴り方,ドリブルの仕方 など基礎技術の説明をする。
◎ゴルフのパターを使って,インサ イドキックをイメージさせるな ど,具体物で感覚を伝える。
◎難しいルールについてはていねい に説明する。
◆目的を持った基礎技能ができる。
◎ボールをキープするためにはどう すれば良いのかを助言する。
◆チームでボールをキープする方法 が理解できる。
○学習のねらいを明確にもたせる。
○チーム全員がボールに触れるよう にする。
マーカー カ ラ ー コ ー ン
マーカー カ ラ ー コ ー ン
マーカー カ ラ ー コ ー ねらい1:パスをていねいにつないでゲームをしよう。
本時 (4/ 7)
基礎技術や判断について練習す る。
○勝ち負けではなく,ねらいにあっ たゲームができるようにする。
◆パスをつないでゲームをすること ができる。
ン バー
な
か
2
45
×
3
○ドリル運動を行う ・8の字ドリブル ・マッスルシュート ・パターパス
○パスを意識した練習をする。
・4対1(とっちゃいやよ)
・コーン当てゲーム ・ランニングパス ・三角パス
○作戦を立てゲームを行う。
・4対4のゲームを行う。
ドリル運動やめあて練習の中で取 り組んできたことが実戦で生かせ るのかを確認する。
○サッカーの学習のまとめをする。
○安全に配慮しているか確認する。
○技能が向上した児童を称賛し,よ り意欲的に取り組めるようにす る。
◎うまくいかない児童には軸足の位 置や足首の固定などの助言をす る。
○個人ではなく,チームでねらいに 取り組めるようにする。
◆チームでボールをキープする方法 が理解できる。
○ゲームの前に,作戦と役割分担の 確認をさせる。
◎ルールを守って公正にゲームをし ているか観察し,必要に応じて助 言,称賛等していく。
◎ルール改正についても話し合わせ る。
◆パスをつないでゲームをすること ができる。
○ゲームを振り返り,次回の試合へ の意欲を持って取り組めるように する。
○よかったところを認め,次の学習 にも意欲を持って取り組めるよう にする。
◆作戦を工夫して,すすんでゲーム に取り組むことができる。
マーカー カ ラ ー コ ー ン
マーカー カ ラ ー コ ー ン
学習カード マーカー カ ラ ー コ ー ン
バー
学習カード ねらい2:チームで作戦を立ててゲームをしよう。
5 本時の指導(4/7)
(1) ねらい
<関心・意欲・態度>
・ルールやマナーを守り,ゲームを楽しもうとすることができる。
・チームで協力し合い,安全に気をつけて活動することができる。
<技能>
・状況に応じて,ドリブルやパスをつないで攻めることができる。
・チーム内で攻守の役割を分担し,状況に応じて判断して基礎技能が発揮できる。
・ルールを理解し,公平に審判をすることができる。
<学び方>
・チームで作戦を工夫してゲームすることができる。
<安全>
・学習の場や運動の安全に気をつけて活動することができる。
(2) 展開
時配 学習内容 指導(○)支援(◎)評価(◆) 資料・用具 3
15
○準備運動を行う。
○ドリル運動を行う。(3分×3)
・8の字ドリブルタイムトライアル 8の字3周のタイムを計る。
・マッスルシュート
ゴールに向かって思い切りよく蹴る。
グループ対抗(3グループ)で行う。
ゴールに入った数で競う。
・パターパス
二つのコーンを並べ,その間を通す。
連続で何本通せるかを数える。
トラップなどを使って,蹴りやすい場所 に移動して蹴る。
○足首など使用頻度の高い部位を重 点的に行う。
○反復練習が上達の近道だと言うこ とを意識させる。
○8の字ドリブルでは両足のインサ イドの使い方を確認する。
○キックの蹴り方(軸足,足首,目 線)を確認する。
◎うまくいかない児童にはゆっく り,落ち着いて蹴るように助言す る。
◎うまくいかない児童には,ボール がきたら,まずとめることを意識 させる。
○とめる,顔を上げる,相手を見る,
パスするといった流れを確認す る。
◆ドリル運動のねらいを理解し,意 欲的に取り組むことができる。
ボール カラーコーン マーカー 学習カード
3
5
15
2
2
○本時のめあてをつかむ。
○めあてにそった練習を行う。
・3対1(とっちゃいやよ)を行う。
コートは広めにとり,フリータッチで行 う。
○試合を行う。
・ミニゲーム(4分×3試合)
1チーム4人×9チームで行い,
3コート+審判で試合を同時展開する。
○まとめをする。
○整理運動をする。
○後片付けをする。
○ボールをとめる(トラップ)時間 を多く設定させるために,コート は広めにとる。
◎状況に応じて,敵役はボールをお いかけるだけにするなど,簡易化 をはかる。
○できる限り多くボールに触れるこ とができるように指導する。
○めあてにそったプレーを意識させ る。
○パスをきちんとつなげるようにす る
◆パスをていねいにつなげることが できる。
◆ルールを守り,協力してゲームを 行うことができる。
○ゲームを振り返り,めあてに対し て,取り組めたかを確認させる。
○よかった点をとりあげ,称賛する ことにより,次への意欲づけをは かる。
◎使った部位をよくほぐすようにす る。
○分担し,すばやく行えるよう指導 する。
ボール マーカー
ボール マーカー カラーコーン ビブス バー
学習カード パスをていねいにつなげよう
(3) 場の設定