第1学年○組 体育科学習指導案
指導者 M・M 1 単元名 マット遊び(器械・器具を使っての運動遊び)
2 単元について
(1)運動の特性
①一般的特性
マット運動(遊び)は,いろいろな回り方で転がったり,手や背中で支持しての逆立ちをした り,そのいくつかの技を連続して行ったりして楽しむ運動(遊び)である。また,いろいろな動 きや自分の力にふさわしい課題に取り組む楽しさを味わうことができる運動(遊び)である。
②児童からみた特性
マット運動(遊び)は,鉄棒や跳び箱に比べると技を自由に楽しむことができやすい運動であ る。いろいろな技に挑戦し,できるようになると楽しく,さらに技を組み合わせていくことも比 較的簡単で楽しく取り組める運動である。また,運動のスピードもそれほど速くないため,技の できばえや直すところが見つけやすい。そのため,友達同士で教え合ったり,励まし合ったりす ることで上達しやすく,その喜びも大きい。しかし,逆さ感覚や腕支持感覚など日常経験するこ との少ない動きもあるため,経験の多少による個人差が出てしまう運動でもある。
(2)児童の実態(男子10名,女子13名,計23名)
事前にアンケート調査を行った。結果は以下の通りである。
□情意面□
質 問 事 項 は い ふつう いいえ
1 体育の授業は好きですか。
2 マット遊びは好きですか。
□技能面□
調 査 事 項 よくできる できる できない
横転がりができる。
前転がりができる。
後ろ転がりができる。
ブリッジができる。
壁登り逆立ちができる。
〈考察〉
本学級の児童は,体を動かすことが好きな児童が多い。休み時間には汗びっしょりになって遊ん でいる。しかし,外で遊ぶことにそれほどこだわらず,室内で絵を描いたり本を読んだりしている 方がいいという児童も何人かいる。体育の授業について尋ねてみても,体育が嫌いではないけれど 特別好きというほどではなかったり,運動技能が高くても授業にはこだわっていなかったりと,そ れぞれの個性がうかがえる。
技能面の実態を見ると,ブリッジや壁登り逆立ちは比較的よくできている。しかし,よくできて いるとはいっても5秒間維持するのがやっとの児童も多く,腕支持の力は必ずしも十分とはいえな
い。また,横転がりはよくできるものの,前転がりや後ろ転がりになると上手にできる児童が減少 するのは,腕支持ができなかったり,背中を丸めて転がることがうまくできないためである。1年 生の段階としては,いろいろな回り方に挑戦させ,逆さまになる感覚などを数多く経験させていく ようにしていきたいと考える。その中で,腕支持の力をつけたり,体を丸めて転がる動きを身につ けたりするためのドリル運動を繰り返し行い,前転や後転につなげていくことができるようにして いきたい。
(3)仮説との関わり
運動の特性に応じた動きの基礎を身につけさせるために,「なか1」では,腕で体を支える力を つけるためのドリル,逆さ感覚に慣れるためのドリル,背中を丸め体を起こす感覚を身につけさせ るためのドリルを中心に,十分な時間を取って行っていこうと考えた。それによって,「なか2」
では,短時間で効果的にドリル運動を行いながら,いろいろな回り方や場を工夫して練習する時間 を十分に取っていけるのではないかと思われる。基本的な動きを十分身につけてから,いろいろな 場での活動を行うことで,児童が楽しく意欲的に取り組めるようになるのではないかと考える。
○主に腕支持の力をつけるドリル………あざらし歩き・くまさん歩き・うさぎ跳び
○主に逆さ感覚に慣れるドリル…………壁登り逆立ち・かえるの足打ち・アンテナ(肩倒立)
○主に体を起こす感覚を身につけるドリル…ゆりかご・ゆりかごジャンケン
3 学習のねらい
〈関心・意欲・態度〉
・約束を守って,友達となかよく運動することができる。
〈技能〉
・マットに背中や腹などをつけて,いろいろな方向へ転がって遊んだり,手や背中で支持しての逆 立ちなどをして遊んだりすることができる。
〈学び方〉
・友達のよいところを見つけたり,まねをしたりして遊ぶことができる。
〈安全〉
・運動する場の安全を確かめたり,準備や片付けの仕方に気をつけたりして学習することができる。
4 単元計画〈マット遊び〉時間配分(総時数405分 45分×9回)
段階 時配 学習内容と活動 指導上の留意点(○)評価(◆) 資料等
○オリエンテーション ○学習の進め方を知らせ,見通しをも 学 習 計 画
・学習のねらいや進め方を知り,学 たせる。 の掲示物 習の見通しをもつ。
つ ・マット遊びでの約束事について話 ○運動の仕方だけでなく,待ち方や場 45 し合う。 の安全,用具の出し方などについて
も確認する。
か × マット
○ドリル運動のやり方を理解し,動 ○ドリル運動の動きがわかる資料を用 掲示物 1 きのポイントを確認する。 いてポイントを確認し,効果的にド
む リル運動ができるようにする。
◆学習の見通しを持ち,進んで取り組 もうとすることができる。
ねらい1:いろいろな術の修行を楽しむ。
○ドリル運動をする。 ○それぞれの動きや姿勢のポイントを マット
・あざらし歩き 意識しながら取り組めるように,助 掲示物
な ・うさぎ跳び 言する。
45 ・くまさん歩き ○場を変えたり,ゲーム化したりする
・ゆりかご ことによって,意欲的に取り組める
× ・かえるの足打ち ようにする。
か ・壁登り逆立ち
4 ・あんてな(肩倒立) ◆ドリル運動の仕方を理解し,楽しく 取り組むことができる。
ねらい2:ころころ流の修行を楽しむ。
1 本時 ○いろいろな方法で,マットの上を ○自分で考えた回り方の他に,友達の (4/9) 回る。 回り方にも挑戦してみるよう助言す
・ロケット回り る。
・前転がり ◆いろいろな回り方で,調子よく回る
・後ろ転がり ことができる。
◆友達と教え合ったり,認め合った りすることができる。
ねらい3:ころころ流の免許皆伝をめざして楽しく修行をする。
○ドリル運動をする。 ○腕支持感覚,逆さ感覚,回転感覚を マット
・あざらし歩き 身につけることにつながる動きを, 掲示物
・うさぎ跳び 短時間で効果的に取り入れていく。
な 45 ・くまさん歩き
・ゆりかご
× ・かえるの足打ち
・壁登り逆立ち
か 3 ・アンテナ(肩倒立)
○いろいろな場で,ころころ修行を ○きれいな前転や後転,腕立て横飛び マット する。 越しなどにつながっていくようない ふみきり板
2 ろいろな場を作り,自分なりのめあ
てを持って楽しく挑戦していけるよ うにする。
◆マットに背中をつけたり,手や背中 で支持したりして回ることができ る。
◆友達と教え合ったり,認め合った りすることができる。
ま ○修行の成果を発表する。 ○友達の活躍を認めたり,助言したり
45 している児童を称賛する。
と ×
1 ◆友達のよいところをを認め合うこと
め ができる。
5 本時の学習(4/9)
(1)ねらい
〈関心・意欲・態度〉
・約束を守って,友達となかよく運動することができる。
〈技能〉
・手や背中で体を支えて,いろいろな逆立ちをすることができる。
・マットに背中を順番に接触させ,いろいろな方向に転がることができる。
〈学び方〉
・自分なりの回り方を工夫することができる。
・友達のよいところを見つけたり,まねをしたりして遊ぶことができる。
〈安全〉
・運動する場の安全を確かめたり,準備や片付けの仕方に気をつけて学習することができる。
(2)展開
時配 学習内容と活動 指導上の留意点(○)評価(◆) 資料等 20 ○本時のめあてをつかむ。
いろいろな じゅつの しゅぎょうをしよう。
○ドリル運動を行う。 ○いろいろな動物歩きを行うことで,腕 マット 歩きしゅぎょう で支持する感覚や,逆さ姿勢を意識さ 掲示物
・あざらし歩き せる。
・くまさん歩き ○手のひら全体を使って,しっかりつく ことを意識させる。
○視線を意識させ,あごがしっかり出せ るようにする。
さかさましゅぎょう ○歩き修行よりも,さらに腰の高さを意
・壁登り逆立ちトンネル 識させることで,逆さ感覚を身につけ
・かえるの足打ち られるようにする。
・アンテナ(肩倒立) ○数を数えたり,ゲーム化したりするこ とによって,できる限りの力が出せる ようにする。
だるましゅぎょう ○耳の横に手が構えられるよう意識させ
・ゆりかご る。
・ゆりかごジャンケン ○あごを引き,膝を引き寄せることがで きるよう助言する。
◆ドリル運動の仕方を理解し,楽しく 取り組むことができる。
ころころりゅうの しゅぎょうをしよう。
2 0 ○いろいろな転がり方に挑戦する。 ○グループの中でお互いに見合い,よい
・前転がり ところは声かけをするようにさせる。
・後ろ転がり ○友達の回り方にも挑戦させ,いろいろ な回り方が経験できるようにする。
○よい動きができている児童を称賛し,
よい動きが広まるようにする。
◆いろいろな転がり方をして,意欲的に マット遊びに取り組むことができる。
◆友達と教え合ったり,認め合ったりす ることができる。
◆場の安全に気をつけて学習することが できる。
5 ○本時のまとめをする。 ○前転や後転につながるよい動きができ ている児童を抽出し,次時のめあてが もてるようにする。
○整理運動をする。
○用具の片付けをする。 ○片付けも修行のひとつととらえさせ,
マットはこびしゅぎょう 約束を守り,安全に気をつけながら,
協力して片付けさせる。
◆約束を守って片付けができる。
(3)場の設定
ス テ ー ジ
壁 登 り 逆 立 ち